碧緑香華

中国語、武侠小説、ドラマの話などなどにたまに日常の話を織り交ぜて

陸小鳳伝奇 四 (銀鈎賭坊)い

2007-01-17 13:24:25 | 古龍

『銀鈎賭坊』

『好心救美』

  夜、秋の夜。

  晩秋。

  暗く静まり返った長い坑道には、人一人居なくただ一つの明かりだけが有った。

  残りの白い提灯は、ほとんどがとっくに灰色に変わってしまっている、傾いた坑道の狭い突き当りの門の上には、提灯の明かりに光っている銀の引っ掛け鉤がある、それは正に漁師の親父が使う釣り針の様だ。

  銀鈎は秋風の中で停まることなくゆらゆらと揺れている。秋風はまるでため息をついているようだ、ため息は、何故に世の中の人々の多くはこの銀鉤に吊り上げられたいと思うことが有ろうか?

  方玉飛は暗く、湿った冷たい霧の中から、まばゆく明るい銀鉤賭坊の中へ入った。濃い色のマントを脱ぐと、その下から、彼の体ぴったりとしつらえられた極めて手の込んだ銀緞子の衣装が現れた。

  毎日この時が最も愉快なひと時であるがとりわけ今日は愉快だ。

  それは陸小鳳が彼の傍らに居るから、此処の所彼の最も好きで尊敬できる友人が陸小鳳だからである。

  陸小鳳もとても愉快だ、なぜなら彼が正に陸小鳳自身だから。

  贅沢にしつらえられた大広間の中には、温かさと楽しさと酒の香りの中に上等な紅おしろいの良い香りが混ぜ合わさり満ちており、ひっきりなしに金銭の打ち合わさる警戒で耳に心地よい音が聞こえていた。いかなる音楽と比べても世の中でこれ以上のものは無い。

  彼は、この音を聴くのが好きで、世の中の別の多くの人と同じで、彼も贅沢と楽しみは好きだ。

  銀鉤賭坊は嘘偽りの無い贅沢な所、いつでもさまざまな贅沢な人の為に、様々な贅沢と楽しみを用意してある。

  その中で最も贅沢なものは、当然、賭博だ。

  すべての人が賭博をし、すべての人が一心不乱に彼らの賭博に集中する、しかし、陸小鳳と方玉飛が入ってきた時、さすがに皆はついつい頭を上げた。

☆まだまだ、勉強不足なので、意訳ではなくて妄想訳で読んでいる部分も有ります野で、その辺は悪しからず。 訳文に関しての苦情はご遠慮下さい。

その代わり、読みました、の足跡を残していただけると、この次の励みになります。どうぞ宜しくお願いいたします。☆


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うふふふ、姐姐、これぞまさに古龍節ですね!読ん... (えまの)
2007-01-17 21:09:32
うふふふ、姐姐、これぞまさに古龍節ですね!読んでてわくわくしますよ!! 
と、今別の古龍作品を読んでいる私も思います。古龍の文章の書き方はとても特徴があるので、あまり長くない文章であれば、映画風に訳せばいいのかな、と思います。
接続語、とか同じのが何度も何度も使われていますし・・・
続きも楽しみにしています!
返信する
「読みました。サヨナラ」 (たくせん(謫仙))
2007-01-18 17:48:41
「読みました。サヨナラ」
えっ、これじゃ挨拶だけで一言も言ってない?
困ったな。わたしはまだ第一巻しか読んでいないので…。それも多少イライラするところもあったので、平均的な評価点しか出せなかった。だから原文まで読んでいることにびっくり。
こんな調子で訳されていたら夢中になったかも知れない(^。^))。
返信する
古龍作品は、短い言葉をどう訳すかが難しいですね。 (八雲慶次郎)
2007-01-19 22:28:00
古龍作品は、短い言葉をどう訳すかが難しいですね。
この「銀鈎賭坊」や次に控える「幽霊山荘」はとくに訳すのは難関かもしれません。「幽霊山荘」については別の意味で大変なんですが、話のオチにかかわるので書きません(^^;
頭の中で陸小鳳が動いてくれるようなら、自由奔放に訳していっていいと思います。
正確なのは本職におまかせすればいいのですから!
返信する
コメント、ありがとうございます。 (mimi)
2007-01-21 20:44:34
コメント、ありがとうございます。
えまの妹妹へ
  映画風に、ウッフ♪ 陸小鳳やはり『決戦紫禁城』を見たからなのか、張家輝のイメージで読んでしまいます。 『決戦紫禁城』の陸の旦那はかなり三枚目でしたが、原作の『決戦前後』を読んで、彼のカッコよさに、益々・・・・だからいくら三枚目の部分と、かっこいい部分と、妄想妄想・・・・しながら楽しんでいます(ff^0^)ポリポリ

謫仙大哥へ
  『こんな調子で訳されていたら夢中になったかも知れない』←身に余る、お褒めの言葉と思っていいですか?
早稲田出版で出している、陸小鳳伝奇を是非読んでみてください。 とっても面白いですよ。

八雲幇主へ
  完璧な翻訳は、プロにお任せしまーす。
ただ、妄想訳でも、とっても時間が掛かります。
つい夢中になって、単語の意味のト書きを忘れたりしています。 プロの手による本が出たら、読みたいです。 自分の妄想した陸小鳳像がどの程度ご本人に近いのか、確認してみたいです。

本当に、コメントをありがとうございました。
次回にも宜しくお願いいたします。
  
  
返信する

コメントを投稿