「全知全霊、諸々の神、諸々の物の怪、すべて来て守り、ともに極楽へ」
彼は我慢することが出来なくなって歩いて行き、木板の上から一本の菊の花をつまみあげた。突然、氷のような冷たい手が触れた。
彼は菊の花をつまみ上げると、ちょうど其処には一つの目があることに気がついた、その目は彼をじっーと見張っていた。
この目は、白目がちで眼球はすでに完全に突き出て、一言では言い表せない程の驚きと恐怖を帯びている。
陸小鳳は数歩後ずさりして、長いため息をつき「こいつらは、何者なんだ?」
緑の長衫を着た老人は「今は、すでに死んだ人間だ!」
「彼は生きていたのか?」陸小鳳は聞いた。
老人は、また目を閉じ空を仰ぎ、ゆっくりと言った「全知全霊、諸々の神の子、災難に遭い殺害された、神も悪魔も共に泣く」
陸小鳳は感動した面持ちで「まさか彼は、あなたたちの教主の息子なのか?」
「フン!」と老人は鼻を鳴らした。
「まさか、彼は私の手の上で死んだのではあるまいな?」
「人殺しは死ね!」老人は冷ややかに言った。
陸小鳳は、再びよろける様に二歩後ずさりし、長いため息をつき、突然笑い「ある人は、私を捕らえたい、ある人は、私を殺したい、私はただ一人しか居ないのだ!どうするつもりなんだ?」
緑の長衫の老人は、楊捕り手頭を冷たい眼で見て「おぬしは絶対に彼を捕まえて、行くつもりなのか?」
楊捕り手頭は「いや、いや、絶対とは言わない」
言葉が終わらない内に、すでに両足が萎え、ぺたりと地面に跪いてしまった。
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