40歳からの子育て~テキトウ編~

縁あってスピード結婚&スピード出産×2。
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ヨーロッパ一周編:25日目 エギナ島に実るピスタッチオ

2005-08-04 22:07:47 | 旅日記('88-'02)
●1989年8月5日(土)
 ギリシャ文字はなんだかロシア語のアルファベットに似ている。
 ここではビールがとても安く、350mlで100円しない。1日の疲れをいやしてくれるのは、日本ではお風呂だが、旅先では「軽く一杯」に限る。

 今日は自転車を借りて海岸線を走り、人の少ないきれいなビーチで1日中泳いでいた。
泳ぐ前、荷物をどうしようかと思っていたら、向こうから同い年くらいの女の子がやって来たので、彼女との相談で、互いに荷物の見張り番をしつつ交代で泳ぐことにした。

 彼女の名前はアンヌ、わたしより2才年上でフランスから来ていた。夏休みを利用してアテネのフランス系企業でバイトをしているという。
 2人でのんびり日光浴をしながら、時々おしゃべりもする。気温は高いが海からの風が涼しくて心地よい。体がほてってくると、再びつま先までクリアに見えるエメラルドグリーンの水の中に入る。

 近くには、少し離れたところで、赤ちゃんに水を浴びさせている母親とおばあさんの3人連れがいるだけでほかにはだれも見えない。遠くには白いヨット、時おりモーターボートが走っている。とても気分がいい。

 夕方、ホテルに戻ってシャワーを浴びたあと、夕食をとりにレストランやみやげもの店が並ぶ海岸通りに出たが、どこも一杯だったので、一本裏の道を歩いてみた。すると、青色を基調とした陶器の並ぶ美しい陶芸品店があったので中に入ってみた。

 店の主人は30代くらいの男性で、船員をしていたころ日本にも行ったことがあるといろいろ話しかけてきた。そして、夕食がまだだというと、安くておいしいレストランと、そこでなにを食べたらいいかを詳しく教えてくれた。食事のあと、22時頃待ち合わせて踊りに行く約束をして別れる。
 教えてもらったレストランのポークの煮込み料理は舌がとろけるほどおいしかった。ビールで疲れをいやして。

 待ち合わせまでまだ時間があったので、人影まばらな岩場に上り、大感動の夕日を見る。「ギリシャの夕日の中ではだれでもサマになる」と、シチリアで出会った鈴木くんの言葉を思い出し、納得する。好きな歌でも口ずさんでみたくなる気分だ。

 さっきから、男の子がひとり、近くの岩場で網を使ってなにかを採るのに夢中になっている。また採った。カニだ。わたしが見ているのに気づくと、ニコッと笑ってもう4匹採ったよと指を4本立てる。小学校3、4年生くらいだろうか、とてもかわいい。多分島の子だろう、浅黒い肌が、幼さの中にもたくましさを感じさせる。

 太陽が完全に落ちてからもまた趣きがある。うすくれない色の空が目の前に広がり、海の色も、それまで1本のオレンジ色の線を引いていたのが全体に紅く染まる。線香花火と同じだ。いったん終わってもなお、おまけの美しさを見せてくれる。太陽と海、ベストコンビネーション。

 ようやく暗くなったので、先ほどの彼の店に戻り、車でバーに行く。そのバーも観光客向けでない地元の人たちが集まるところでなかなかよかった。ギリシャ名産の冷たい白ワインを飲む。デュミトリットはとても優しい人だった。

 ピスタッチオがとてもおいしい。時期なのか、いたるところで赤い実がたわわに実っている。


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