植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

トサムラサキと,ヤクシマコムラサキは,同一種

2007-12-16 19:10:26 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
愛媛県の西南部では,西海(にしうみ)町-御荘(みしょう)町あたり
に,岬や,離れ島が多い。
離島の一つ,西海町の鹿島(かしま)。美しい海水浴場と,海食洞窟を
グラスボートで遊覧できる「海中公園」があり,島には放し飼いの鹿
がたくさんいる。

鹿島には,多数のトサムラサキがはえている。ムラサキシキブ類で,
葉の姿が美しく,整然と並び,眉目秀麗な「種」は,トサムラサキ。
でも,鹿島のトサムラサキは,芽先を鹿に喰われ,大きくなれない。

鹿に食べられ,葉は極端に小さくなり,剪定された盆栽のような姿で,
高さは40-50cmの株が多く,ほとんど実ることがない。
ほとんどのトサムラキは,丈がごく低く,少数のものだけが高さ1.5
-2m以上に,のびている。
鹿が喰うことのできない高さまで,すばやくのびた株だけが,ふつう
の大きさの葉を開いて,生長できるのだ。そうに違いない,と想う訳。

写真は,屋久島での撮影です。