植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

クルマバソウは今,ブナ帯の林床などで,冬を迎えようといている

2007-12-03 10:56:16 | 自然・季節
山地のブナ林などの林床に小群生状にはえるクルマバソウは
アカネ科の多年草。5-7月,茎先に少数または多数の純白
の花を開き,清楚で美しい。
白い花の集まりに近寄ると,かすかにクマリンの香りが漂っ
てくる。

全体にクルマムグラにやや似ているが,クルマバソウの茎葉
は,草を乾燥させても,黒くはならない。
なるべく蕾の頃,きれいな地上部を摘みとり,かげに干して
1-2日萎れさせる。乾くとクマリンのつよい香りがとても
心地いい。

これをネツトで包み,容器に入れ,2倍量のホワイトリカー,
ウオッカなどに漬け,アルコールがあわいレモン色になった
頃,クルマバソウを引き上げる。
すぐにも飲むことができるし,4-5ヵ月後にゴールデン・
イエロー色にかわって,少し辛みのでた頃は,草っぽい香り
がすてき。

花,蕾,茎,葉を,ちらし寿司に飾って食べたり,肉料理に
付け合せて味わったりするのも「おしゃれ」。

北海道,本州の山地,南千島,サハリン,朝鮮,ヨーロツパ
などに分布。寒さには平気,へいき。