自然体験をするための施設として農業小学校がいろんなところにあるのに気が付く
それで、農業体験だけかなとおもっていたら、その原点であろうと思われる本を見つけた。
農業小学校の博物誌 盛口満, 今西祐行著 木魂社 1962年
今西祐行氏は有名な児童文学者である。そして自然観察で有名な盛口満氏との組み合わせ
どういうことかなと気になってページをめくった。
今西祐行氏が山本有三記念路傍の石文学賞の受賞の賞金で300坪の山を手に入れ、農業小学校を開いた。
山を手に入れようと思ったのが、西岡棟梁のことば、
「木を買わずに山を買う」
西岡棟梁が寺社を作るのに、よい木をだけ選んで買い、それで神社を作るのではなく、一山かって、そこの木を使って建てるという
ことばから、今西氏も山を手に入れようとされたみたい。
その農業小学校の動植物の博物誌を描いたのが盛口満氏
イネはどれとエノコログサなどのほかのイネ科の植物の観察したスケッチを示して話を進める。
盛口氏は自由の森学園で理科の先生、今は沖縄大学人文学部准教授。
この学校で教鞭をとった人で「でんじろう」氏も有名。
ゲッチョ先生としても多くの著書がある。
なぜ「ゲッチョ」なのかは てら子屋コラム『【ゲッチョ先生コラム】呼び名を与えてくれる者』にくわしい。
さて、この本は、花と虫の関係、野草と作物の関係、害虫と作物の関係、鳥と木の実の関係、タヌキとアケビの関係など
盛口氏のスケッチと軽妙な語り口で農業小学校の動植物の個性的な自然を紹介している。
今農業小学校は全国に賛同者をえて数多く展開、きっとそれぞれに博物誌があるだろうが、
盛口氏の博物誌がなければ、農業体験学校だけになったかもしれない。
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