子どもの本がおもしろい㊴ 水中の小さな生き物けんさくブック
湖 池 沼 田 川 色 形うごく/うごかないで調べる!
著者 「水中の小さな生き物けんさくブック」編集委員会 編著
出版社 仮説社(2014年)
現場の先生たちの切実な「分からない」を、専門家たちと一緒に教材研究するという、画期的な取り組みから生まれた本作🦠杉並区を中心に、現在では全国の小中学校でご活用いただいています。
(『水中の小さな生き物けんさくブック』のFacebookより)
プランクトン(浮滸生物)定義は,
「水柱に生息し流れに逆らって移動できない」(生物海洋学入門,閣・長沼 2005) という条件に当てはまる生物を便宜的にまとめた言葉で、分類をすると種類の多い生物になる。
最初にプランクトンを学習するのは小学6年理科
これまでは、5年生でメダカの食べるものとして学習していたが、6年生で食物連鎖のなかで観察する。
中学校では理科第二分野でいろいろな環境条件で存在する生物の学習でプランクトンをとりあげている。
顕微鏡を取り扱うので、子どもたちはたのしみにしている勉強のひとつ。
顕微鏡で見ることができても、
小学校の場合 教科書にみられるプランクトンの写真がのっているが、これがプランクトンだという代表的なものしかのっていないので、自分が見ているのが何か気になっても分からない。
先生も分からない。
これまで、先生向けの夏のセミナーで教科書にのっているプランクトンを見つけるのは至難の業であると聞いている。
それで、当会が毎年人と自然の博物館でおこなう夏のセミナーも結構人気の理由がそこにある。
今年も開催予定なので、人と自然の博物館の情報を見てほしい。
それで、1学期にプランクトンを調べたいなというときに、いい参考書になるのが本書。
表題の通り、「色 形うごく/うごかないで調べる」ことで検索ができる参考書。
インターネットと連携しており、動きの速いプランクトンもじっくり観察できる。
実際はこれ以上の種類がみられるが、教科書で不足している情報をおぎなうことができる。
本の作りは上部にできており、検索の方法も便利なように工夫されている。
中学校では微生物の専門書としてこの本に紹介しているが、滋賀県立衛生環境センターほかの「普及版やさしい日本の淡水プランクトン図解ハンドブック」や日本ブランクトン学会監修の「ずかんプランクトン」がおすすめだ。
現在プランクトンの分類については 新しい分類体系 (Adlet al. 2012, 2018) が主流となっている。さらに、DNAなど新しい方法がかくりつするにつれ新しい知見がこれからも付け加えられるだろう。
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