子どもの本がおもしろい㊶ ジャガイモの花と実 ―オリジナル入門シリーズ5-
今はほとんどの児童がしっているが
「ジャガイモは茎、サツマイモは根」
このことが教科書でふれられたのは、明治14年「植物小学」で
そこには「馬鈴薯(じゃがいも)甘藷(さつまいも)などは茎の地中にあるものだ」と書いてありました。
その著者は松村任三氏。この名前を聞いてピンときた方は、朝ドラのファンですね。
7月のドラマではまだ東大の助教授ですが、・・・
「ジャガイモは茎、サツマイモは根」と訂正されたのは明治16年文部省のグレー著「植物通解」(矢田部良吉訳)だそうです。(以上あとがきによります)
「ジャガイモの花と実」、この本ができたときは、日本には男爵とメークインの品種が主流だったとおもいます。
著者は、ジャガイモの種はどうなっているのだろうという子どものころの疑問を解いていく中で、アメリカでの品種改良の話を取り上げています。
バーバンクの話です。
いまのマクドナルドのフライポテトのジャガイモの品種をつくった人でもあります。
マクドなんてまだないときに、バーバンクを取り上げるところに先見性があったと思います。
マクドのジャガイモと日本の料理に使っているジャガイモは同じか、違うかなどから
今の授業は入るかもしれません。
いまはジャガイモの種類もたくさんスーパーにならんでいます。
「ぜんぶわかる!ジャガイモ」(安田守著;ポプラ社:2020年発行)
を読めば、いま日本で栽培されているじゃいもがよくわかります。
調べてみようでは、ジャガイモの芽の出る場所が反時計回りでらせん状にならんでいるとか、たねいもの大きさで育ち方はどうかわるなど、写真で見せてくれる。
現在のジャガイモについて調べたいならこの本がおすすめ。
まとめ
「ジャガイモの花と実」
板倉 聖宣著
もともとは福音館の科学シリーズ (1968年)
いまから 半世紀前の本。
仮説社から2009年に再販となった。
-- もくじ --
ジャガイモとわたし
植物の花と実とたね
生物の再生の力
たねから育てたジャガイモ
たった一個のジャガイモの実
植物の魔術師
野生のジャガイモ草
ジャガイモの歴史
ちなみに
バーバンクによって作り出されたジャガイモの品種のうち、最も有名なものはラセット・バーバンクという品種です。これは、1880年頃に開発されたジャガイモで、現在でもアメリカで最も栽培される品種です。表面が赤茶色になり、粉質でほくほくした食感が特徴です。ベークドポテトやフライドポテトなどに適しており、マクドナルドのフライドポテトにも使用されています。
現在、北米では
- ラセットポテト(Russet Potato)=マクドのフライポテト向き
- イエローポテト(Yellow Potato)
- レッドポテト(Red Potato)
という「3つ」が人気だそうです。
日本では、その昔メークインと男爵という2つの「品種」が主流です。
メークインはイギリスで作られていたものを輸入して北海道で栽培、
男爵イモはアメリカのバーバンクが品種改良したものを北海道で栽培
どちらも昭和3年1928年に北海道の優良品種として認定され現在に至ります。
「じゃがいもの世界史―歴史を動かした『貧者のパン』伊藤章治著 中公新書 2008年発刊」
も参考に
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます