しおんの日記

愛犬しおん(ミニチュアダックスフント)の成長記を中心としたblogです。
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国勢調査についてふと考えた

2005-10-09 12:53:23 | 雑記
国勢調査の回収が進まず、苛ついた調査員が回収済みの調査票を燃やすというニュースがありました。この行動自体褒められたものではないですが、気持ちもわからないわけではありません。

5年に1度の国勢調査も、各世帯のあり方(日中誰もいないとか)、個人情報に対する意識の変化などから年々やりにくくなっているのは間違いないでしょう。わたくしの家も、「オートロックマンション+日中不在がち」という調査員にとっては最悪パターンでして、調査票を受け取るまでに3回ほどご訪問を頂きました。しかも、調査票をだまし取る事件も続発していますから、国民が協力したくなくなるのも致し方なし。

さて、その調査票ですが、中身としては世帯の構成員とその属性、働いているかどうか、職種・勤務先くらいしか問われていません。記憶が定かではないのですが、以前はもっと色々な事を聞かれていたと思うのです。これも「プライバシー」などに配慮しての事なのでしょうか。

で、ふと思ったのです。「世帯人口と勤務先を尋ねる程度の調査でいいのか?」と。国勢調査の経費って、たしか650億円くらいなんですよ。その巨額なコストをかけて人口と就業状況しかわからないってことにイマイチ納得がいかないのです。

たとえば、各市町村の住民基本台帳ありますよね。それを積み上げる事で、自治体の人口はわかるわけです。それを足し算する事で代替する事はダメなのでしょうか。もちろん、学生の一人暮らしとか様々な理由で住民票を移してない人がいるのは承知です。その誤差と、「5年に1度」という国勢調査の誤差ではどちらが大きいのでしょうか。5年も経てば、引っ越す人もいるし生まれる人、死亡する人も出てきます。就業状況についても、「事業所調査」など他に調べる術はあるわけで、労働の流動性も高いこの時代に「5年に1度」のデータでモノを語る方が危ないような気もします。

むしろ、自分はこれほどの大規模な調査をするならば、もっと他のデータを拾って欲しいと思うのです。今の行政施策の決定において、企業が行っているような「マーケティング的なデータ」は圧倒的に足りていません。道路を造るなら、周辺地域の車の所有率や車の稼働状況などが必要でしょう。これは自分の専門でもあるのですが、IT関係の施策を行うなら、その地域のパソコン所有率やインターネット利用率がないと話になりません。福祉や子育ての施策だって同じですよね。そして、それらのデータを把握する為の予算など、大して付かないのが現状です。行政施策と、住民ニーズがかけ離れてしまう理由の一端はここにあります。

国勢調査、国の状況を把握する事は絶対に必要です。巨額なコストをかけるなら、やり方を見直す、あるいは、そのコストに見合った調査を行う必要があるのではないのかなあと強く思うのです。

【まとめ】
○国勢調査は必要なものです。
○しかし、今の調査内容は巨額なコストに見あっているでしょうか。
○現状程度の内容なら、他の手段で把握できるのではないか。
○どうせコストをかけた調査をするなら、もっと活用できるような内容にすべきではないのか。