XtaSEAさんの「業界裏話」がとても面白かったので、わたくしも一席。
大学2年ころまでは、遊ぶお金がなくなると日雇いかド短期のバイトに明け暮れていたため、結構色んなバイトを経験しました。ちなみに最初のバイトは、「ぬいぐるみのコアラの中の人」でした。
中でも好んでやっていたのは、美術館の設営バイトでした。展覧会の開催前に、作品を飾り付ける手伝いをするものです。別に芸術が好きだったわけではなく、もらえるお金の割には作業が楽だったのです。
そのバイト、時々違う仕事が回ってくることがありました。誰もがご存知の「○○展(さすがに伏せます)」を審査する会場の手伝いです。
審査のやり方ですが、会場には20人前後(?)の先生方がいます。その前に、僕らバイトが候補作品を2枚ずつ持ってきます。その絵を見比べて、入賞させるかどうかの判定を挙手で行います。1枚ごとに食い入るように見るというよりは、遠目で眺める感じですね。もちろん、2枚のうち必ずどちらかが選ばれるわけでもありません。
だいたいお分かりかと思うのですが、この審査が結構いい加減なんですよ。
○「この作品は私の弟子なんですよ」「じゃあいーでーす(挙手)」
○「この作品は私の師匠とつながりのある方の作で」「じゃあいーでーす(挙手)」
○「この作品は、女優の○×さんの作品で」「じゃあいーでーす(挙手)」
○「この作者は何度目の挑戦?」「×回目ですね」「じゃあ落とそうか(笑)」
・・・と、こんなやりとりが連発です。これに入選することを目標に頑張っている画家の方には、とてもお見せできないような世界でした。純真な大学生が、汚い大人の世界をかいま見た瞬間とも

#これ以降、芸能人が美術展に入選というニュースを見ても「あーあ」と思うようになりました
あれから15、6年経ちますが、今ではどうなっているのかなあ...。