映画に 乾杯! / 知の彷徨者(さまよいびと)

名作映画に描かれている人物、物語、事件、時代背景などについて思いをめぐらせ、社会史的な視点で考察します。

マイナスイオンについての再コメントへの返答

2013-07-19 09:48:23 | 科学論

コメントを寄せていただいた方にお礼を申し上げます。

最初のコメントはじつに説得的でした。私は説得されました。なるほどと。

私の記事の言っていることは、たとえば「分子」や「原子」というように、大きな括りのカテゴリーとして「マイナスイオン」が存在するということを否定していません。

眼目は、その瞬間瞬間で何のイオンとして存在しているかは特定できるはずだということです。

したがって、コメントのなかでも

「マイナスイオンを構成する負イオンはO-、O2-、O3-、CO3-、CO4-、NO2-、NO3-など数多くあります。水蒸気など空気中の微量成分によって大きく変わり、時間的にも目まぐるしく変わります。だから、「マイナスイオンとは何のイオン?」という問いに正確に答えることは誰にもできません。」

ということには納得しました。私がほしかった答えの一部が得られました。

つまり、マイナスイオン一般ではなく、特殊・具体的な物質のイオンとして特定されているものもあるわけです。

そうすると、きわめて多様な物質(元素や化合物の負イオン)をひとまとめに表記する「マイナスイオン」は存在することになります。

それは認めます。

しかし、それは「何のイオン?」と問いかけることが誤りであることにはならないはずです。私は、その問いを発しているつもりです。

人類は、分子一般、原子一般を知るところで止まらず、個別具体的な元素や化合物を探求し続けてきました。さらに素粒子論として原子の内部構造や相互作用を解明するところまできています。

同じ様にマイナスイオンも、地球の環境・生態系のなかで存在する生物としての人間の生存や健康にかかわる大事な問題だと思います。ある程度の費用を投じても、もっと具体的に解明する必要があるだろうと思うのです。

というのは、今後、温暖化が進む地表環境を考えると、人類の生存空間の温度や湿度などの大気環境を適切に創出・維持するために、水の大気循環や対流を利用した空気調和(熱交換)システムが不可欠になるだろうと考えるからです。

たとえば、こういう空調=冷房システムがあります。ただし、結露という問題があって実用化が難しいようです。

室内の天井に微細な径の配管を熱交換器として配して、そのなかに水道管や地下水の常温の水を流します。だいたい水温は15~20℃くらいでしょうか。

ゆっくり穏やかに水を流すだけなので、あまり大きな動力エネルギーを必要としません。

暑い日は28~30℃以上ですから、熱交換機によって室内大気を冷やせば、25℃以下になり、快適な温度環境になります。

そして、気温低下で飽和水蒸気量はかなり減少しますから、余分な水蒸気は冷やされて結露し、水滴となります。非常に細かい水分子・クラスターが発生し続けますから、何らかの「マイナスイオン」がつねに発生し室内対流します。

まるで、滝の近くや雷雨のあとのような、人が快適さを感じる大気環境が常態化するわけです。

ところが、水滴はやがて大きくなり、重力の作用で落下します。室内の机上や床面は濡れてしまいます。書類が濡れたり、カビの原因になったりと、人間の生活それ自体には健康的で快適でも、仕事や保管などにとってはきわめて悪い環境になってしまいます。

こういうシステムを応用する住環境・職場環境を創出することは、今のところ不可能なようです。

しかし、このまま温暖化が持続すれば、低エントロピーの空調システムを開発するために、たとえばこういうような水の循環や対流を利用する仕組みを、いろいろと考案する必要が出てくるでしょう。人類の生存にかかわるものですから。

それにしても、こういう室内環境の条件を検証するためにも、また建材が濡れたりして発生する化学物質がイオン化したときに、どういう作用をおよぼすか(「悪玉環境ホルモン」は発生しないか)を研究する必要があると思います。

そのさいには、「マイナスイオン一般」では研究や検証がきわめて不十分なのです。

巨費を投じてもマイナスイオンを個別具体的に検出検証する必要があると思います。



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1 コメント

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Unknown (ssfs)
2013-07-21 09:27:26
再々エントリありがとうございます。

>しかし、それは「何のイオン?」と問いかけることが誤りであることにはならないはずです。私は、その問いを発しているつもりです。

誤りでなくても、「さまざまな化学種からなるイオン」という答えで終わっており、それ以上追及することにさしたる意味はありません。

>同じ様にマイナスイオンも、地球の環境・生態系のなかで存在する生物としての人間の生存や健康にかかわる大事な問題だと思います。ある程度の費用を投じても、もっと具体的に解明する必要があるだろうと思うのです。

その必要性はまったく感じません。

>そして、気温低下で飽和水蒸気量はかなり減少しますから、余分な水蒸気は冷やされて結露し、水滴となります。非常に細かい水分子・クラスターが発生し続けますから、何らかの「マイナスイオン」がつねに発生し室内対流します。

マイナスイオンの新規生成にはなにがしかの大きなエネルギーが必要です。単なる結露ではマイナスイオンは発生しません。

ブログ主は自然科学方面に疎い(失礼)割には、思い込みの強い方のようにお見受けします。視野をもっと広げることをお勧めします。
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