今からおよそ680年ほど昔、北イタリアはピエモンテ地方の山中にある修道院に、遍歴の修道僧とその弟子が訪れた。おりしも、この修道院では、僧たちの不審死が相次いでいた。遍歴の僧は、修道院長から連続怪死事件の調査を依頼される。ところが、アヴィニョンとローマとのちょうど中程にあるこの僧院は、教皇と皇帝、異端派などの勢力争いの焦点になっていた。事件は政治的な(権力闘争の)色合いを帯び始めた。 . . . 本文を読む
不順な気候なりに春がやって来た。長野では近くの善光寺の御開帳が始まる。高速道路料金が安くなったので、各地からたくさんの人たちが来てくれるかもしれない。とはいえ、旅にはいろいろお金がかかるもの。地元の人が期待するほどではないかもしれない。 . . . 本文を読む
今からおよそ1000年前に、ヨーロッパで世界貿易の組織化をつうじての資本蓄積と都市権力の形成へのトレンドが始まった。領主による所領支配や王権もまた、ヨーロッパ世界貿易を存立条件としていた。おもむろに始まった資本の世界市場運動は、13、14世紀に加速し、16世紀には〈ヨーロッパ世界経済(近代世界システム)〉が出現した。このシステムは、その内部の多数の政治体のあいだの凄まじい軍事的・政治的闘争を内在的な要因としていた。 . . . 本文を読む
世界的規模で「金融バブル」がはじけた今、金融界から脱出してもっと地道な仕事と生活に移ろうとして模索する青年の物語をじっくり観てみよう。世間の大方の映画評では、大した冒険物語もなく地味すぎて評価の低い作品だが、私は以前から非常に高く買っている。今回は、ケビン・ベイコン主演の「クイックシルヴァー」を取り上げる。 . . . 本文を読む
久しぶりに「鬼平犯科帳」シリーズを扱う。
今回は、「明神の次郎吉」を取り上げる。物語の起点が、信州の中山道だというのもいい。そして、物語があまり殺伐としていないところも。人間の多面性とか人情の機微、鬼平と岸井左馬之助との友情、立場の違いなど、人の世のいろいろな側面が描かれる。 . . . 本文を読む
「のだめ」はありがたいドラマ=漫画だ。なにしろ、素晴らしい曲を次から次へと紹介してくれる。私にとっては、NHK-FMの「気ままにクラシック」「クラシックカフェ」などと並んで、クラシック音楽の絶好の「ショウウィンドウ」になっている。 . . . 本文を読む
クラシック音楽の門外漢にとって、どういう曲からアプローチすれば、楽しくその世界のことを体験・学習することができるだろうかという疑問・躊躇は、高い敷居の1つをなしている。そんな人には、少なくとも私などには、「のだめ」は楽しく愉快にクラシック音楽の世界を垣間見る機会を与えてくれる、好ましいドラマだ。このドラマに導かれて、私はクラシック音楽への旅を続ける。 . . . 本文を読む
結局、「重力と空間」の問題を考えていくと、素粒子の世界と宇宙の大構造とを総合的・統一的に把握・分析せざるをえなくなってくる。一介の素人の頭脳では、手に余るどころではない途方もない問題領域に入り込む。それでも、ドンキホーテが風車に突進したように、挑むだけ挑んでみよう。 . . . 本文を読む
引き続いて、言葉で宇宙の仕組みを考えていく。今回は、重力と「光」との絡み合い、つまりは、この宇宙空間の仕組みの「謎の本体」をめぐって思考の散策を試みる。うまくいくか、それとも大笑いの結果か、さあお立会い。暇つぶしには、何もしないよりはまだましだよ。 . . . 本文を読む