「人は見かけによらないもの」という格言を地で行く物語が、「エリン・ブロコヴィッチ」。胸もあらわなシャツと超ミニスカート。軽薄で遊び好きな若い女性…という格好のエリン・ブロコヴィッチは、2回の離婚歴をもつシングルマザー。3人の子持ちで、失業中。自動車事故の裁判で知り合った弁護士の事務所に乗り込んで、強引に事務員として居座ってしまった。彼女は、大企業が引き起こした大規模な環境汚染と住民健康問題を掘り当てた。 . . . 本文を読む
ジャック・ヒギンズが描いた時代から少し遡り、「アイアランド自由国」独立への動きを描いた映画作品を取り上げる。「マイケル・コリンズ」だ。アルスター州を除く南部が1922年、ブリテン王国の覇権を受容するという留保条件つきながら、政治的独立を達成した。血で血を洗う報復合戦、武力闘争から抜け出すための、余儀ない選択だった。その独立の限界が、北アイルランドでの紛争と混乱の直接の引き金になったのだが。 . . . 本文を読む
18世紀以降のアイアランド=イングランド関係史をごく大雑把に考察する。この記事は、映画「マイケル・コリンズ」の物語を見るための予備的考察である。映画の物語の記事に含めるつもりで書き出したが、分量が増えすぎたので、独立の記事にする。 . . . 本文を読む
私は、このブログで映画作品の物語(表現)について説明=再現している。批評・評論しているのではなく、映像の物語や文脈、意味合いついて考察し、説明している。このような記事を書くのは、じつは映画の物語や文脈はかなりわかりにくい、複雑な動的な構築物だからだ。観客はわかった気になるかもしれないが、制作陣が込めた思いや問題提起、仕掛けなどは奥が深くて、いく度か観て分析し、再構成しないと、理解には程遠いのが実際のところだ。 . . . 本文を読む
これまた、ジャック・ヒギンズ原作のアイアランド紛争を背景とするハードボイルド。挫折し、大義と目的を失ったテロリストの末路を描く物語。IRA武装組織に属するマーティン・ファロンは、誤爆でスクールバスの子どもたちを死なせてしまったことで、虚無的になって武装闘争から離脱した。だが、組織は彼の離脱を許さなかった。仲間に命を狙われる羽目に。しかも、ギャングたちの抗争にも巻き込まれていく。 . . . 本文を読む