映画に 乾杯! / 知の彷徨者(さまよいびと)

名作映画に描かれている人物、物語、事件、時代背景などについて思いをめぐらせ、社会史的な視点で考察します。

雑感・思索メモ 3

2011-03-27 15:34:17 | オムニバス
 前にも書いたが、国語(言語的表現)ないし文章表現は論理学の問題領域にも属し、それゆえ数学的思考の対象でもある。数論や集合論、解析学=微積分の問題領域でもある。言葉遊びから、数学の問題を考えてみよう。 . . . 本文を読む

雑感・思索メモ 2

2011-03-20 15:11:21 | 自然科学
 今回の震災についての報道のなかで、とくに疑問を感じるのは、原発事故についてのものだ。マスメディアは、東京電力や政府の情報公表が遅いし、何やら隠ぺいすら感じる、と報道しているが、メディアそのものも「報道統制」にしたがって「ずいぶん切り縮めた事実報道」をしている。 . . . 本文を読む

田舎暮らしの記録 31

2011-03-19 15:20:07 | 映像表現
 「ゲゲゲの女房」をきっかけに見るようになったNHKの連続ドラマ。今、大団円に近づきつつある「てっぱん」を見ながら、脚本・演出の手法について考えさせられている。というのも、これが〈大阪=関西の力技〉か、と感心する点が随所に見られるからだ。NHKを含めて東京や関東のテレヴィ局ならば、「ようやれん」ような、恐ろしいほど原則的で「あざとい」方法を駆使して、毎日、毎週、見せ場やクライマクス、笑いどころ、泣きどころを散りばめて、視聴者を惹きつけている。脚本と演出陣は、どうやら理論と技法をきわめた芸者(「技芸に秀でたつわもの」の意味)が控えているらしい。 . . . 本文を読む

映画作品 おススメ短信 4

2011-03-12 16:00:53 | 映像表現
 映画や小説、音楽などの創作物=芸術作品(工芸作品も含めて)は、つまることろ、私たち人間が「なにものであるか」を語るための形式であるようだ。それは、自然科学や歴史学や社会科学などにも当てはまることなのだが。内容がフィクションやファンタジーであっても。物語や思考は、つまるところ、人間とはそういう内容を想像したり意識したり、認識したりする存在であるということを表現するからだ。「事実」であるかどうかは、この本質を左右するものではない。 . . . 本文を読む

越境――市民権と国民国家の障壁

2011-03-06 16:20:01 | 現代アメリカ社会
 映画〈ターミナル〉は、東欧からの旅行者が国家の障壁の隙間に落ち込んでしまう物語だった。今度は「不法移民」の立場から、どれほど厳しく国民国家の障壁が立ちはだかるのかを描いた作品を考察してみよう。豊かさや成功のチャンスを求めて国境を超える人びとの動きは、国境と国籍=市民権という制度によって規制され制限される。富と権力を担っている企業の国境を超えた活動は、促進され保護されるけれども、貧しい民衆の「越境」には、厳しい国民国家の監視や統制が介入している。 . . . 本文を読む