映画に 乾杯! / 知の彷徨者(さまよいびと)

名作映画に描かれている人物、物語、事件、時代背景などについて思いをめぐらせ、社会史的な視点で考察します。

「本当の友情」って何だろう

2011-10-20 17:40:30 | 現代ヨーロッパ
 「俺にだって心を許せる友だちはいるさ」「いや、君には友人はいない。君の葬式に来るような友だちは1人もいない!」 誕生日のディナーで何人もの知り合い(仕事づきあいの仲間)から断言されたフランソワ。「今月中に君らに親友を紹介してやる、さもなければ…」と賭けをすることになった。意地で賭けに勝つために、親友探し、友だちづくりをすることになった。だが、何か話が転倒してないかい? という風に、不思議なトーンで始まる物語。本当の友、本当の友情とは何かを問いかけてくる。 . . . 本文を読む

雑感・思索メモ 11

2011-10-19 18:04:04 | 世界経済
 ニュウヨークのウォール街で自然発生的に始まった若者たちのプロテスト行動が、その後、アメリカ各地、さらには世界各地に広がった。まさに連鎖反応的に拡散しつつ拡大していく。「危機への自然な対応」ということなのだろう。今、金融投機が優越する世界経済の仕組みが壁にぶつかり、深刻な危機が持続している。ということは、この危機で生活や生存を脅かされている多数の人びとがいるということだ。不平等と格差を増幅してやまない世界=社会の仕組み、権力構造に対して、災活の危機に瀕した人びとが異議申し立てや抵抗を試みることは、ごく自然で正当なことだ。 . . . 本文を読む

〈イル ガットパールド〉〈イ ヴィチェーレ〉へのオマージュ

2011-10-17 13:31:59 | ヨーロッパの歴史
 〈副王家の一族〉の結末シークェンスで提示された問題を分析することで、この作品へオマージュとしたい。この映画は、19世紀後半から20世紀初頭のイタリア社会・政治状況を考察するうえでは、非常に優れた話題と材料を提示している。それだけでも、歴史映画としては大成功を収めている。見る価値が大きい。物語は悲惨で暗澹たるものだが、まさにイタリアのレアリスモ(ネオレアリスモ)のお手本のような作品である。同じ時代と状況を描いている〈山猫〉とセットにして考えてみよう。 . . . 本文を読む

世界経済の《アポカリプス・ナウ》

2011-10-10 17:03:38 | 世界経済
 EU構成国、ギリシアの財政=債務危機を引き金とするEU破綻およびユーロ崩壊の危機、南ヨーロッパ諸国家の財政危機、アメリカでの深刻な景気後退、そして日本の大震災・津波・原発災害による経済と国家財政の危機・・・。世界経済と世界金融の構造的危機を示す兆候がいよいよ明白になってきた。「経済成長」と「国家財政運営」という20世紀からの世界経済のダイナミズムがついに限界を露呈したようだ。 . . . 本文を読む