映画に 乾杯! / 知の彷徨者(さまよいびと)

名作映画に描かれている人物、物語、事件、時代背景などについて思いをめぐらせ、社会史的な視点で考察します。

不機嫌な赤いバラ

2007-12-24 21:48:01 | 現代アメリカ社会
 題名からは、内容の想像ができない、不思議な題名。作品を観終わると、なるほどそうかもしれない、とちょっぴり納得。これは、前大統領夫人(寡婦)と彼女を警護する者たちの物語。政治の道具として利用される立場を拒否するテスと、その反骨と「気紛れ」に振り回されるシークレットサーヴィスのあいだの絆の深まりを描くコメディ。 . . . 本文を読む

鬼平犯科帳 その2の②

2007-12-18 21:44:32 | 日本の名画
 お熊の活躍した事件の余話を追う。そして、鬼平犯科帳など、時代考証の確かな時代劇を楽しむための基礎知識や「歴史を見る目」を検討する。それは、学校教育や陳腐なマスコミ情報によって、人びとの頭に詰め込まれた「偏見」「先入観」、つまりは「歪んだ歴史観」を実証的な視点から批判、検証することになる。 . . . 本文を読む

「火星着陸」の大芝居

2007-12-11 21:35:49 | 現代アメリカ社会
 1970年代後半、アメリカのNASAは有人衛星を火星に送り、地表に着陸させるプロジェクトに挑戦。火星着陸の模様を写す映像は宇宙中継で地球に送られ、合州国は偉大な成功に沸きかえった。だが、それは地球上で撮影された映像だった。ロケットの発射は直前に重要な不具合が発覚して中止されたのだ。国家の威信のために、乗組員はロケットを離脱し、映画セットのなかで虚偽の映像の撮影への協力を強制され、やがて抹殺の危機に直面した。 . . . 本文を読む

鬼平犯科帳 その2の①

2007-12-09 16:14:20 | 日本の名画
 鬼平犯科帳オマージュの第2弾。今回は「笹やのお熊」を取り上げる。私は、元気な年寄りたちが活躍するドラマが好きだ。幼い頃、「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが…」という語り口の童話や昔話を聞くのが好きだったせいかもしれない。このドラマは、ときに平蔵も閉口するくらいにしたたかな婆さんが、火付盗賊改方を手助けして活躍する物語だ。しかも、この婆さんを演じるのは、北林谷栄。見逃す手はない。 . . . 本文を読む