ギリシャ総選挙で第一党となり、各党と新政権樹立に向けた連立協議を行っていた新民主主義党(ND)のアントニス・サマラス党首(60)は5月7日夜、組閣を断念し、カロロス・パプリアス大統領(82)に伝達した。
大統領は8日、財政緊縮策反対派の第二党、急進左派連合のアレクシス・ツィプラス党首(37)に組閣要請した。
だが、急進左派連合による政権樹立は困難視されており、6月に再選挙になるとの観測も出始めた。
債務危機の発端となり、欧州連合(EU)などの支援を受けて財政再建中のギリシャの政治空白は市場の動揺を誘い、債務危機の再燃を招く。
“悪夢”のシナリオを再現しかねない状況に欧州諸国の懸念も高まっている。
急進左派連合のツィプラス党首は7日夜、「合意到達のため、あらゆる可能性を尽くす」とし、特に左派政党との連携を目指す考えを強調した。
総選挙では、NDと左派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の与党2党が大敗し「反緊縮」を掲げる野党が躍進した。
だが、左派政党でも多数派は形成できず、急進左派連合の連立合意も困難視される。
NDの連立交渉では、PASOKが右派のNDに対し他の左派政党が入ることを条件に提示。
交渉には3日間の猶予があるのに初日で断念したNDのサマラス党首は、単独過半数獲得のため当初から再選挙を望んでいるとされ、各党の思惑が複雑に交錯している。
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