猿八座 渡部八太夫

古説経・古浄瑠璃の世界

佐渡 真明座 長岡公演 

2013年07月12日 22時30分14秒 | 調査・研究・紀行

平成25年7月7日(日)七夕。新潟は時折、集中豪雨の一日。梅雨明けしたという関東平野とは

別世界でした。それは、さて置き、真明座の平均年齢が若返り、座長の川野名さんの操りまで

若々しくなった今年の舞台は、沈滞ムードの文弥人形に新風を吹き込んだ感じです。高校生の

若林君の弁慶が光りました。若者の緊張感は、舞台全体を引き締めますね。やっぱり、年寄り

ばかりで、馴れ合った舞台はよくありません。今後の真明座が楽しみです。

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写真の場面は、五条橋での弁慶と義経の戦いの場面ですが、近松門左衛門が、義経の母、

常磐御前に着目して。「孕常磐」という浄瑠璃を書いた分けがなんとなく分かる気がします。常

磐御前は、さぞいい女だったのだろうなあと、読む度に思うのです。源義朝の側室でありなが

ら、敵の平清盛の妾にならざるを得なかった常磐御前の数奇な運命。と言うか、清盛に入れ込

めたからこそ、その後の源氏の再興を成し遂げることができた女。清盛が女ぼけしていたとい

えば、それまでですが、虎視眈々と生きた常磐御前に惹かれるのです。