

アンズの種は杏仁豆腐の独特の味付けに使われるとある。
アーモンドやウメ、スモモの近縁種であり、容易に交雑する。ウメの果実は完熟しても果肉に甘みを生じず、種と果肉が離れないのに対し、アンズは熟すと甘みが生じ、種と果肉が離れる(離核性)。
果実は秋に橙色に熟し、トウモロコシの形となる。茎には褐紫色の模様がある。これがマムシの皮膚の模様に似ているのでマムシグサの和名となった。花の形も蛇が鎌首をもたげているイメージであるが、マムシが居そうな場所に生えていることも重なっているであろう。
◇下宅部遺跡
狭山丘陵に沿った谷に位置する。96年、都営住宅の建て替えに伴う調査が始まり、現在は終了。核心部は保存され、「下宅部遺跡はっけんのもり」として整備されている。
低湿地遺跡のため木製品や動物の骨などがよく残る。解体されたシカやイノシシの骨、アク抜き中のトチの実の残骸(ざんがい)、製作途中とみられる巨大な丸木舟なども見つかり、縄文時代の川原の作業場の可能性が高い。後~晩期の土器が途切れなく出土し、土器編年上も注目される。奈良・平安の遺構・遺物も出土。
毎日新聞 2007年4月18日 東京夕刊