「わからない授業はかわいそう」
そうじゃなくて…と、何十年も同じように話し続けてきました。
そこで「かわいそう」と言われているのは、「子ども」だと思ったから、私はずっと、「子どものことば」や「子どものきもち」にそって、なんとか「そうじゃない子どもの世界のたのしさ」やら「おもしろさ」を話してきました。
でも、「わからない授業はかわいそう」という言葉で語られている中身は、そこじゃなかったんだと、さっき気がつきました。
今回もまた、「教育」とは違う分野の本に答はありました。
◇
《大野: 胃ろうをつけている患者さんに対して、よく「かわいそうだ」という人がいますね。
本当に、「かわいそうだ」と思っているのでしょうか。
「かわいそう」なのは、「しんどい」のは、それは、その台詞を発している「周囲」なのかもしれないですよ。
川口: それに気がついたことが一番大きかったです。
最初は母のことがかわいそうだと思っていました。
でも、実は逆で、どんなに頑張っても母から何のレスポンスももらえない自分がかわいそうだったんです。
やっても無駄、面白くないと思っているのは自分だった。
「無駄な延命」の「無駄」は患者にとっての「無駄」じゃなくて、医療者やケアする側の自己評価なんです。 》
『さらさらさん』 大野更紗 ポプラ社
(川口有美子さんとの対談から)
◇
だから、自分でもずっと消化不良だったんだな。
普通学級での子どもたちの姿がちっともかわいそうじゃないことや、その反対に自信を持って生き生きとしている様子を語ることは、答えの半分でした。
「就学相談いろはカルタ」の「つ」を思い出しました。
【つ】
「通知表 ついているのは 先生の点」
そう、今まで見てきた子どもたちの通知表で、障害のある子に、「よい点」をつける先生は、「かわいそう」とは言わなかったなぁ。
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