ワニなつノート

「定員内不合格死」が起きる前に(その11)

【県民の信頼を損ねる憂慮すべき事態】

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千葉県では、県民の信頼を損ねる」憂慮すべき事態である「定員内不合格」被害者を出さないため、毎年「定員遵守の通知」が発出されている。「学ぶ意欲のある生徒の学びの場を確保する観点から、学ぶ意欲があると判断できる受検者を定員内不合格とすることのないよう」、繰り返し注意喚起がされているにも関わらず、学校現場では「子どもの学ぶ機会を保障することの重要性」が理解されていない。

 

その結果、関東では東京、埼玉、神奈川に生まれていれば、「学ぶ機会」を失うことのなかった15歳の子どもたちが、「後期中等教育の機会」を失い、18歳以上を想定している福祉の支援も受けられず、同世代とのつながりも途切れ、行き場を失い、保護者・養育者も追いつめられている現状がある。

 

「後期中等教育の無償化」が私立高校にまで広がり、不登校や外国人生徒、障害のある生徒への合理的配慮の提供や、ヤングケアラーへの支援など、「より多くのケア・サポート・調整」が広がる中で、唯一、「定員内不合格」にされた子どもたちの相談を受ける機関はどこにもない。

 

すべての子どもに、無償のインクルーシブな後期中等教育の機会を保障することは、「全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現」(こども基本法1条)のために必要不可欠である。

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