前回の文章、そのまま紹介して正解でした(^^)v
いつもよりずっと反響の感触がいいのです。
拍手の数だって、いつもより全然多いし…。
(…別にひがんでる訳ではありません…(・.・;)
このブログを読んでいるのは「普通学級」の「お母さん」がほとんどですが、反応の良さは、Nさんの言葉に、子どもの「同級生たち」と同じ匂いを感じるからだと思うのです。
理屈ではなく、子どもの思いを感じている人がここにもいてくれる、という実感。
そこに「希望がある」ことが嬉しいのだと思います(>_<)
「子どもの同級生たちと同じ」と書いて、気づいたことがあります。
「どうして普通学級が良いのか?」、
「その子に合った教育をってそんなに間違っているのか?」
その「問い方」に答えようとすることが、そもそも違うのでしょう。
だってそれは、「大人の言葉」だからです。
「その子に合った教育」の「善意」を信じている人には、どんな答え方をしても通じないのだと思います。
そ答えは「子どものことば(おもい)」にあります。
そのすれ違いを、間で翻訳しないと、すれ違うばかりなのでしょう。
そもそも「その子に合った教育」なんて、障害児だけじゃなくて、どの子にとっても必要な場面はあるはずで、だったらそれが「普通学級」で、誰にでも対応できるように、誰にでも手をかしたり、知恵をかしたりするのが、先生の仕事だろうと思います。
話がそれました。
今回のNさんも、「どうして普通学級が良いのか?」という「大人の問い」かけをしながら、「子どもの寄る辺なさ」という回路を通って、自分の子ども時代(子どものことば)に、答えを見つけています。
その感性に関心しつつ、そこに一つの問いが浮かびます。
Nさんは「初めて『分けられる子ども』側のことを考えたんです」と、正直に書いていますが、実際、
「分けられる子どもの気持ち」を考えたことがない人は多いのでしょう。
子どもの気持ちを考えずに、「この子のために良かれ」と大人たちがどんなに考えても、いい教育なんて見つかるはずがありません。
「分けられる子どもの側」から、教育を考えないのはなぜか?
それは、ほとんどの人にとって、「障害児」とは、「分けられた」子どもではなく、始めっから「あっち側の子ども」として存在しているからです。
「分けられる」(動詞)+「子ども」(名詞)ではなく、最初から「障害児」という名詞だと、多くの人が信じて育ったからです。
だから子どもたちも、同じクラスの「障害児」は、「ちょっと変わった子」「おもしろい子」という「子ども」であるのに対して、「特支学級」にいるのは「障害児」だと認識しています。
その見分け方を教えているのが、いまの学校であり、社会です。
先日のブログ「子どものことば」で紹介したことばを思い出します。
「ひまわり学級の子が困っていたら助けにくいけど、ちーちゃんだったらすぐ助けに行く!」
子どもたちに、「障害児理解」のための交流や教育がどんなに逆効果か、この言葉が教えてくれます。
特別支援教育に取り込まれる子どもの数が増えれば増えるほど、同世代の子どもたちに、「助けにくい子ども」を増やしているのです。そう、教えているのが、学校という環境です。
「自分と同じ子どもが、どこか別のところへ分けられていく」と知っている子ども。
「障害児」という「理解してあげる人」としての理解しか持つ機会のない子ども。
その子どもが大人になった時、「その子にあった教育」の意味は正反対のものになるでしょう。
◇ ◇ ◇
≪ある人類学者が、たった一人で離れ小島にあがって住み、そこの人たちの習慣を研究しようとしたが、数カ月たっても、どうしてもそこの人たちに、自分の言葉を分からせることができなかったという。
それは、その島の住民が、流れ着いた学者を、自分たちと同じ人間だと考えなかったことが原因だった。
人間でないものが、どんなふうな音を出そうと、その音の意味を解き明かそうと、まじめに考える人は少ない。
その反対に、相手を同じ人間だと考えるところからは、なんとかして、自分の身にひきくらべて、相手の身振りの意味を考えてゆくから、お互いの言葉など全然知らないなりに、言葉は通じてゆくものなのだ。≫
(「人が生まれる」鶴見俊輔 筑摩書房より)
◇ ◇ ◇
「分ける」「分けられる」という言葉を、私も手軽に使っていますが、考えてみれば、それは子どもにとって、「絆」を失う、ということです。
子どもにとって、かけがえのない仲間との絆、それを奪っている自覚がないから、「その子に合った教育」を良いものと思えるのでしょう。
子どもの一番のニーズは「絆」だと私は思います。
子どもが障害や病気を理由に、誰も分けられない保育や教育の場を確かなものにすることこそが、子どもの絆を守ることであり、差別をなくすことだと私は思います。
☆ お知らせ ☆
前回、「今から、出かけるのでつづきます」と書いて病院に行ったところ、「癌ですね。すぐに切りましょう」と言われました。
すぐにも入院…と言われたのですが、ベッドの空きがなく、空き次第連絡が来ることになっています。
でも、今日も連絡がなかったので、明日の就学相談会は行けそうです(o|o)
そんな訳で、7月の「ワニなつノート」はほとんどお休みです。
ほんとの「ワニのなつやすみ」って感じです(>_<)
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