「定員の遵守」実現に向けて

「定員の遵守」実現に向けて

「県民との約束」を守るための新たな通知


　これまでの26年、「壁」は子どもの障害ではありませんでした。
障害故に、また必要な配慮がなされない故に、「点数」が取れないという現実はありました。

でも、そこに空いている席はありました。
県民のための、県立の学校がそこにあり、中学を卒業した子どもが次に学ぶ教室の席は、空いていました。

「定員の確保」が公正に行われていれば、千葉県の子どもは浪人したり、東京の高校に通ったりしなくてもよかったのです。

会の子だけではありません。
毎年、何百人もの千葉県の15才が、「定員の確保」が守られないために、教育を受ける機会を奪われてきたのです。

「希望するすべての子どもの進学」が実現するように私たちは訴えてきました。
具体的には東京都や神奈川県のように、いわゆる「定員内不合格」者数が「０」になることを目指すことです。


　今年度、「定員確保」に向けての新たな一歩がようやく踏み出されました。
それが、平成26年12月２日の【千葉県県立高等学校入学許可候補者の決定について（通知）】です。

過去の通知との違いは以下の２点です。

①　「入学許可候補者の決定については、平成○年度千葉県公立高等学校第１学年生徒募集定員に基づき、《適正なものとすること。》」が、「…募集定員に基づき、《定員の遵守に努めること。》」に変更されたこと。

②　また、前年度までは通知の[５]にあった「募集定員に満たないことが予想される学校においては、…定員の確保に努めること。」という一文が、[１]に含まれ「定員の遵守に務めること」を受けてさらに「定員の確保に努めること」と念押しする形で表明されていることです。

　ちなみに「遵守（じゅんしゅ）」とは、《法律や規則・道徳を守り従うこと》です。
通常の規則を守るときには「厳守」が使われますが、法律など絶対に守るべき尊い存在のものには｢遵守｣が使われます。

最近よく耳にするコンプライアンスも同じです。
コンプライアンスの意味がまさに「法令遵守」であり、「特に企業活動において社会規範に反することなく、公正・公平に業務遂行すること」です。

また「遵」という漢字は、｢筋道を外れない｣という意味でもあります。
まさに、高校の先生が生徒に教えるべき事柄です。

その生徒たちへの最初の教育活動である入試において、すべての千葉県公立高等学校がこの通知を「遵守」することを、私たちは願っています。


　　　　　　　　　　　◆


　教指第１３１０号
　　　　　　　　　　　　　　　　平成２６年１２月２日

県立高等学校長　様
　　　　　　　　　　　　　　　千葉県教育委員会教育長　


千葉県県立高等学校入学許可候補者の決定について（通知）


　このことについては、千葉県県立高等学校第１学年入学者選抜要項、千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項及び関係通知に基づき、下記の事項を踏まえ、各学校において適切に行うよう配慮願います。

　　　　　　　　　　　記

1.　　入学許可候補者の決定については、平成２７年度千葉県公立高等学校第１学年生徒募集定員に基づき、定員の遵守に努めること。

　やむを得ず募集定員を超えて入学許可候補者を決定する場合においては、平成２２年１２月１日付け教指第１４１８号「転入学者及び編入学者の受入れ推進のための定員の弾力的運用等について（通知）」を踏まえること。

　また、募集定員に満たないことが予想される学校においては、
各学校の実態に応じて可能な限り入学許可候補者とし、
定員の確保に努めること。


2.　　前期選抜の入学許可候補者内定者については、平成２７年度千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項に定められた予定人員以内とすること。


3.　　海外帰国生徒の特別入学者選抜、外国人の特別入学者選抜及び成人の特別入学者選抜の予定人員については、平成２６年９月１９日付け教指第９８８号「平成２７年度海外帰国生徒の特別入学者選抜、外国人の特別入学者選抜及び成人の特別入学者選抜における入学許可候補者の予定人員について（通知）」を踏まえること。

　また、上記の各特別入学者選抜及び中国等帰国生徒の特別入学者選抜の予定人員は、それぞれ前期選抜の選抜枠の一部であることに留意すること。


4.　　入学許可候補者の決定に当たっては、第１学年の原級留置者数、第２次募集の入学許可候補者数を見込むことはしないこと。

　なお、三部制の定時制の課程及び通信制の課程においては、転入学者等の受入れ予定人数は、募集定員の内数とすることができる。