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ワニなつノート

《ここに居てはいけないと言われない場所》

自分の「呪い」を解くための100のメモ㊿
《ここに居てはいけないと言われない場所》
 
         □
《ここに居てはいけないと言われない場所》が、私の中にはどれくらいあるだろう。
一番に思い出すのは幼いころにかわいがってくれた「十日町のおばさん」だ。「おばさん」の声と笑顔が、今も私を支えている。
その次に、保育園のころから大好きだった女の子と同級生と一緒の小学校、中学校、高校がある。それはすべて「つながりの安全」の記憶として私の神経系に刻まれている。
 
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《ここに居てはいけないと言われない場所》、その膨大な量の積み重ねが、「人のつながりへの信頼」を支える。
 
子ども時代の「地域で生きる」意味と、大人が考える「地域と言っても引っ越しもある」という理解とはまったくの別物だ。引っ越しと言える前提には、《ここに居てはいけないと言われない場所》があることを知っている必要がある。
 
「ここに居てはいけないと言われない場所」がありふれた日常であった人なら、一つ二つの「居てはいけない」を受け流すことは難しいことではない。でも、「ここに居てはいけない」という体験を繰り返した子どもはそうではない。だから子どもは、まずそのことを膨大な量の観察や体験から、自分で学ぶ必要があるのだ。
 
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子ども時代に、《ここに居てはいけないと言われない場所》がいくつあったか指折り数えてみる。そして、指を一本も折れない子どもがいたことを思い出す。
 
また、たった一度の体験であっても、それが「自分にとって一番大切だった場所」が突然なくなってしまうとき、そこは《ここに居てはいけない場所》の記憶(トラウマ)になる。
 
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《ここに居てはいけない》と言われた8歳の記憶が、私を「いまここ」に連れてきた。
 
子どもの人権が守られる場所とは、子どもが「ここに居てはいけない」と言われない場所のこと。
「ここに居てはいけない」と言われない「つながり」のある場所のこと。その積み重ねの先で、自分だけの大切なつながりと出会うことを自立というのだとおもう。
 
 
 
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