「定員内不合格死」が起きる前に(その9)
【定員内不合格被害者・相談窓口の開設を求める要望書】(案)
《要望の主旨》
《1》 中学卒業後、定員内不合格等により進路未決定のまま、インクルーシブな後期中等教育を受けることができず、社会的保護に欠ける状態にある子ども・若者のための相談窓口・機関の開設を求めます。
《2》 インクルーシブな後期中等教育の機会を求めながら、学校からも保護者・養育者からも「義務教育修了」を理由に、権利回復のための相談の機会が得られない、進路未決定の中学卒業生がいます。
福祉による支援が基本的に18歳からを想定しており、また社会的養護やヤングケアラー支援の対象にもならない15歳から20代前半の子ども・若者のための、相談・支援の場が必要である。
《3》 千葉県においては、義務教育機会の確保については、「千葉県不登校児童生徒の教育機会の確保を支援する条例」等により相談・支援が徹底されてる一方で、後期中等教育の機会においては、東京都、神奈川県、埼玉県には一人もいない、「定員内不合格」被害者が多数存在します。
そのため、特に千葉県においては「定員内不合格」被害者とされた中学生・若者が、「自分には高校で学ぶ価値のない人間」等など間違って、社会参加や自立への希望を見失わないための呼びかけが必要です。
たとえ「定員内不合格」の被害にあっても、「学び直しの機会」「無償での後期中等教育の機会」は子どもの権利であり、必ず回復の手立てがあることを、公的な機関が呼びかけることが若者の自殺防止の観点からも、特に重要であると考えます。
【写真:仲村伊織】