ワニなつノート

2010年の未解決メモ(その2)

2010年の未解決メモ(その2)


《手の込んだ複雑な調理がなされた料理を食べるとき、いったい自分はどんな食材を食べているのか「わかる」ように食べ方に自覚的であろうとすると、それまで見えなかったものが見えてくる。》

《『食材・味付け・調理』  
わたしたちは、自分の向かい合うものに対して、向かい合うものと相当の自分しか意識しない。
ということは、食べ物と向かい合わないものは、食べ物を問題にするような自分を意識することはない、ということになる。なぜ「食材・味付け・調理」の三つの次元の区別が大事か。自分の食べているもののそれぞれに向かい合う自分の姿を、別々に理解する糸口を見出すことができる。》
 

          

以前、村瀬さんの、『「食べる」思想』という本を少しだけ紹介しましたが、どうも話が大きすぎて、私にはうまく「食べる」ことができずにいます。でも、ちょっとかじっただけでも、これが本当はすごくおいしいものだと分かるのです。

そう、ヒデが「普通学級で手に入れたもの」を書くには、やっぱりこのことをうまく「理解」しなければいけないのだと思います。
「自立生活」とは何か。「自立生活」の支援(者)に必要なのはどういうことか。目の前の「当事者に向かい合う」こと。それは、今現在の大人の当事者と、向き合うだけでは、やはり足りないのです。

目の前の「当事者」を、「知的障害」の当事者と理解するだけでは足りません。「自閉症」とか、「発達障害」という「障害」の理解では足りません。それは、ただ目の前に出された「料理」に過ぎません。「レインマン」を見た人が、「あー、これが自閉症という人なんですね」と、自閉症を理解すること、それは「レインマン」という「料理」を見ただけに過ぎません。

レインマンのモデルは、去年亡くなったキム・ピークという人ですが、ダスティン・ホフマンはその人のサヴァンという特徴に、施設に行って『自閉症』の人を観察し姿をプラスいます。だから、そこには「施設の中だけで長い年月を過ごした人」という「味付け・調理」が色濃く感じられるのです。

子どもの頃から施設の中だけで過ごした障害者とは違う、手の込んだ複雑な人生を生きてきた人とつきあうときには、いったい自分はどんな人とつきあっているのか「わかる」ように、子ども時代の「体験と観察、人間関係の在り方、人間関係の量」といったものに自覚的であろうとすること。そのことが、「障害者」の理解でなく。人間の理解への姿勢を自覚することにつながっていきます。

『食材・味付け・調理』を『障害児・味付け・調理』と書いてみる。
こう書いたら、「味付け」とは何だろう?
親の障害の受けとめかた、家族のなかの人間関係、地域の友だち関係。
本人のできること、したいこと、好きなこと。

「調理」を、「教育」で考えてみる。
6歳から、その子にあった教育を受け一対一もしくは少人数で12年間を過ごしてきた「子ども時代」でできる「料理」。

6歳から、同世代のふつうの子どもたちと同じ「小中高校」のなかで、あらゆることを「観察学習」し、「みるべきものをすべてみて」、そこにみんなといっしょにいたことの「圧倒的な確かないたこと」を、自分一人だけでなく、何百人の記憶と同時に持っている「子ども時代」でできる「料理」
それは「同じ食材」でも、まったく違う料理になるでしょう。


なぜ「食材・味付け・調理」の三つの次元の区別が大事か。
自分の向き合っている人の、それぞれに向かい合う自分の姿を、別々に理解する糸口を見出すことができるからです。



さて、ここからどう話を作ればいいんだろう(-。-)y-゜゜゜
おいしい料理ができそうな予感はするんだけどなぁ。

コメント一覧

yo
ありがとうございます(^.^)
どっちのコメントの返信も長くなりそーなので、本文に入れますね~~。

ありんこ
yoさんにクリスマスプレゼントです。

http://higashida999.blog77.fc2.com/blog-entry-80.html
ありんこ
「調理」という言葉を聞いて養殖された魚と海であがった魚をイメージしてしまいました。
養殖の技術も高くなって何気なく口にする人にはわからないけれど
わかる人にはわかる!(笑)ってことですよね。^^

レインマン 娘が生まれる前に観た時と娘が生まれてからあらためて観た時の観かたと感じ方がまったく違いました。
娘が生まれる前はyoさんがおっしゃるように自閉症をもつ兄と弟の映画作品として観ていたように感じます。
けれど、娘を育てながら観たレインマンでは自閉症をもつ兄の背景や成育歴や施設での暮らしなど探るように、時には共感を感じながら観ていたように記憶しています。
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