ワニなつノート

定員遵守と希望者全入の実現を求める要望書



3月12日、二次募集の試験前に、提出した要望書です。

結果は思い通りにはいきませんでしたが。

それでも、この要望書を読んで、26歳の記者さんが、「彼」の取材に来てくれたそうです。


以前、年配の記者の人に、「定員内不合格」の記事を書くと、周りの記者からも疑問をぶつけられると聞いたことがあります。
「新聞記者」という職業の人にとっても、「定員内不合格」を「人権侵害」ととらえる人は少ないようです。

でも、若い人たちの「高校というあまりに当たり前すぎる学ぶ場所」の感覚は、「高校は義務教育じゃないから」と脅されて育った世代とは違うのだと思います。

(今でも、その脅しで「進路変更」という名の自主退学・中退に追い込まれる生徒はたくさんいるのですが…。この問題にも、マスコミや学者の反応は鈍いですね。
体罰や貧困や性的少数者の問題が頻繁に取り上げられるのに比べて、あまりに関心が低いような気がします。)


ちなみに、取材で彼のお母さんが生年月日を伝えた所、「わたしの母とまったく同じ日です」と言われたとか。

きっと、「彼」を助けるために、「同じ日に生まれた母」をもつ「子ども」という星の巡り会わせがつなげてくれたんだよね。

きっと「いい報せ」の前兆だとおもうな。

来週、27日が今年最後の「追加募集」の受検、28日が発表です。


追加募集をするのは「定時制高校」だけです。

3月の終わりの時期に、定時制だけが「追加」で募集するのは、中学を卒業し、桜が咲く季節になっても進路が決まらない子どもに、最後の希望を届けるためのものです。

そのはずなのです。

今度こそ、彼に、満開の桜が咲きますように(^○^)



                ◇


2018年3月12日

千葉県教育委員会教育長 内藤敏也様

             千葉「障害児・者」の高校進学を実現させる会



定員遵守と希望者全入の実現を
求める要望書




貴職におかれましては、日頃より千葉県の子どもの人権と教育の保障に尽力いただいておりますこと、並びに平成30年度千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項に「入学許可候補者の決定に当たっては募集定員の遵守に努める」との一文を明記されたことに心より敬意を表します。


 森田知事も「千葉県子どもの貧困対策推進計画」の中で、「すべての子どもが、そのおかれた環境に左右されることなく、夢と希望をもって成長して、『千葉で生まれ育ってよかった』と思える社会の実現」を目指すと宣言されています。


また、元文部科学省事務次官の前川喜平さんは『高校無償化というのは、十五歳から十八歳までの、すべての若者に学習機会を保障しますよという学習権保障の思想なんですね。「無償で学ぶ権利があります」と言うからには、入学を希望するすべての若者が学校に行けるようにならないとおかしい。つまり論理必然的に、希望者全入が実現しなければならないわけです』と述べています。


しかし「定員遵守」の意に反し、「すべての子どもが夢と希望をもって成長することのできる社会」を目指す知事の意に反し、そして「高校無償化」を実現させた社会の意に反し、今年の入学者選抜においても前期・後期で合わせて127名の受験生が「定員内不合格」(※)という判断により公立高校の入学を拒否されました。


東京、神奈川には「定員内」で「入学拒否」される生徒は一人もいませんが、千葉県においては、未だに適格者主義という古い考えにとらわれ「定員内」で子どもの教育を拒否する学校が多数存在します。

公立高校の定員は、県民への公約であり、定員相当の予算、人員、設備が準備されています。

この状況においてなお15歳の子どもたちが、目の前にある教育の機会と希望を拒否され、教育行政の一切の支援から断ち切られる現状は、不公平、不公正、不平等そのものです。


こうした中、第2次募集の志願者数が発表されました。

それによると全日制・定時制全42校中、40校で志願者が定員を下回りました。

残りの2校においても、1名あるいは2名の超過であり、希望者全員を受け入れることが可能な数字です。(12日、志願変更の可能性あり。)

千葉県公立高等学校の定員は、本来、千葉県の中学を卒業し高校進学を希望するすべての生徒の入学が実現するように設定されていることに鑑み、3月14日の二次募集においてはすべての公立高校が「定員の遵守」に努めることで「希望するすべての生徒の高校進学の実現」が可能となります。


2次募集を受験する生徒は中学校の卒業式を終えても、進路が決まっていない生徒です。

昨年、進路未決定のまま「追加募集」においても「定員内入学拒否」された生徒は9名でした。

今年こそ、すべての中学卒業生が高校進学を実現するチャンスであり、実現を切に要望いたします。

千葉に生まれた15歳の子どもが、「定員内」で入学拒否され、公立学校から見捨てられる制度を、千葉県から消滅させてください。


千葉県のすべての子どもが安心と希望をもって大人になるため、希望者全員入学の実現を要望致します。

               記

1.千葉県公立高等学校入学者選抜第2次募集において、全ての高校が「募集定員の遵守に努める」ことで、希望者全入を実現してください。
                         以上


(※)千葉「障害児・者」の高校進学を実現させる会の集計。
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