先週も、障害をもつ子どもをめぐる話がいくつか耳に入ってきた。
いつも思うが、相談されることのほとんどは、
子どもが自分の「障害」や「病気」に苦しんでいるのではなかった。
自分の「障害」のためにできないことに苦しんでいるのではない。
そうではなく、子どもが自分の障害を受けとめ障害のある姿で
堂々と自分を表現し生きていくことを、妨害されて苦しんでいるのだ。
子どもの成長のための≪場・機会≫を、奪われ、
子供同士の関係を壊されることで、苦しんでいるのだ。
子どもが自分に(与えられた・課せられた)障害を受けとめ、
堂々と自分の人生を生きていくためには、
その子どもをまず受けとめることが必要なのだ。
まず(母親・家族)が、
そして、(社会・学校)が受けとめるところから、
子どもの成長と自立への道が始まる。
その「障害や病気・症状や生活やコミュニケーションに不利な条件」は、
あなたのせい(責任)ではない。
でも、今あなたの背負っているもの(あなた自身の在り方)を、
引き受けるのはあなたしかいない。
それがあなただ。
(ユニークフェイス・国籍・肌の色・
人種・宗教・信条・能力によって差別されてはいけない
という建前はあるが、現実には差別だらけのこの社会で、)
この世界では差別される条件を予め背負っているのが、あなただ。
でも、私たちは喜んで、あなたを受けとめる。
この差別だらけの社会で、この差別だらけの社会を変えたいと願いながらも、
無力で実現できないことだらけの私たちだけど、
せいいっぱいあなたを受けとめたい。
そして、私たちの仲間になってほしい。
あなたが、私たちの仲間になって、
その障害をあなたが受けとめ、堂々と生きていてくれることで、
私たちは私たちの無力さの中でも、
私たちにできることがあると実感できる。
私たちにできること。
あなたをありのままのあなたをせいいっぱい受けとめること。
それをあなたに伝えること。
それを周りの人たちに伝えること。
まだ少しも差別をなくせない無力な私たちの「受けとめること」で、
あなたがあなた自身を受けとめ、苦しみながら、
あなた自身を堂々と生きて表現してくれることで、
私たちは勇気をもらっている。
あなたがあなたを受けとめ、何もできなくても、たとえ0点でも、
たとえ自分で呼吸ができなくても、
ここに生きていてくれるだけで、
私たちを受けとめてくれるという、
最も大きな受けとめをしてくれるのは、この子たちだ。
・・・・こうしたことを、どう表現したらいいのだろうか?
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