ワニなつノート

障害をもつふつうの子どもの成長(試案その3)




前回紹介したように、里子になった子どもは、
大人が困るようなことばかりします。

『どういうわけか、嫌われるような自分を、
カワイクナイ自分を子どもは大人が音を上げるまで、
これでもかこれでもかと突きつけようとするのです。
なぜ子どもはそれほどリスクをはらんだ行動に出てしまうのでしょうか。』

こうした子どもの行動について、里親と、
里親を支援する「専門家」は、どのような解釈をしてきたでしょうか。


どうして、「里子」がそうした問題行動をするのか。
一つは、試し。
いつ、もう我慢ならないと怒り出すか、
その限界、許容範囲を試しているのだという見方があります。
「Limit test」という言葉もあるようなので、
同じ境遇に置かれた子どもは、同じ行動をするようです。



一方、これと同じような「問題行動」をするのが障害児の場合、
「専門家」はどのような解釈をしてきたでしょうか。

すぐに思いつくのは、自閉症について語られてきた「説明」です。
多動。常同行動。こだわり。パニック。……。
これらの行動は、「自閉症の特徴」のように語られてきました。


さて、「里子」の問題行動に戻ります。
芹沢さんは、「試し行動」という言葉は適切ではないといいます。

そうではなく、里親の関心を自分だけにいつも引きつけておきたいという
「受けとめられ欲求」の表出のひとつであり、
「試す」より、もっとずっと切実な、
生存の根底にかかわる欲求のあらわれ、だといいます。

「受けとめられたい」という、
受けとめられ体験への子どもの強い「生命的欲求」だといいます。

私もその通りだと思います。
里親の経験はありませんが、児童自立支援ホームで1年間、
子どもたちと生活したことがあります。
なかには、乳児院と養護施設で、
中学卒業まで暮らしてきた子どももいました。

私が「試される」ように感じたことは、
すべて、彼女にとっては、「試す」より、もっとずっと切実な、
生存の根底にかかわる欲求のあらわれ、だったと
今も心からそう思います。

そして、それは障害児と言われる子どもたちも、
みんな、同じでした。

(つづく)
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