普通学級の中のHalと、
普通学級の中のNaoちゃんと、
何が違ったのか。
それを、ずっと考えてきました。
私たちは、障害があっても普通学級にいるのが
当たり前だと思っています。
でも、それは今の普通学級が
そのままでいい場所だということでありません。
障害児と健常児が一緒にいるから
いい場所になるのではありません。
障害があっても「この子はただのふつうの子ども」
であるという親の思いを受けとめ、
応えられる場所であるときに、
普通学級は小さな仲間のいるいい所であることができるのです。
HalもNaoちゃんも同じ子ども、同じ小学生です。
みんなと同じように100点とりたい、
みんなと仲良く遊びたい、
みんなと同じでありたい、一緒の仲間でありたいと、
ごく当たり前の願いをもつ一人の子どもです。
同じ願いをもつ「ひとりひとり違う子ども」の一人です。
でも、その「違い」のある自分を周りから認められないとき、
無視されるとき、相手にされないとき、
その「違いのある子ども」の存在に、
先生がまったく気をつかわないとき、
気の遣い方を知らないとき、
その子の存在感は薄くなっていきます。
少しずつ、透明になっていきます。
子どもにとって、だんだん消えていく自分を感じるとき、
どんなに不安なことでしょう。
自分が「いない」ことになってしまうのです。
忘れられた自分。そこにいない「自分」
じゃあ、自分はどこに?
そう感じた子どもは、
何よりまず自分を取り戻さずにはいられません。
勉強どころではないでしょう。
学校に行ってる場合ではないでしょう。
(つづく)
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