一人ディズニー見聞録

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「ディズニープラスで独占配信」について思うこと

2022-03-07 21:24:25 | ディズニープラス
「3月11日(金)より独占配信」て、またですかディズニーさん。


2022年1月13日(木)、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社は自社サイトにて、3月11日(金)に劇場公開を予定していたディズニー・ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』をディズニープラスで独占配信することを正式発表した。


昨年11月頃から、映画館の本編上映前の予告で『~レッサーパンダ』は頻繁に流れていて、「観に行きたい」と思っていたのに、この仕打ち。このやり方は、いい加減にしてほしい。特に、新型コロナが世界中に蔓延するようになってから、ディズニー社は劇場公開を直前に中止し、「ディズニープラスで独占配信」の切り札を切りまくっている。


たしかに、新型コロナの影響で世界の多くの映画館は閉館状態のため、劇場公開しても海外からの興行収入は稼ぎにくくなると思う。それに、1人1台スマートフォンを持っている時代のため、最新作を映画館でわざわざ上映する必要もなく、動画配信サービスから配信しても何ら問題はない。むしろそっちのほうが、現代社会には合っているのかもしれない。


別に、最新作をディズニープラスで独占配信することに怒ってはいない。むしろ、消費者のニーズに応え、さらには赤字を出さずに確実に収益を回収する方法を取っているのだから、ディズニー社のマーケティング戦略は理に適っていると思う。


しかし、そのやり方は本当に消費者のニーズに応えられているのか。現代の消費者は、「もの」より「こと」を好んで消費する傾向があると聞く。「もの」は商品ソノモノを表し、「こと」はその商品やサービスを購入したことで得られる体験を表している。つまり、現代の消費者ニーズは、商品そのものではなく、商品やサービスによって得られる体験行為ということだ。


これを映画に置き換えると、現代人の多くは「作品」という商品を、動画配信サービスで観ることより、作品を劇場の大きいスクリーンや大迫力のサウンドを通じて感動体験をしたいということになる。つまり、ディズニー・ピクサー作品をディズニープラスで独占配信するより、映画館で上映したほうが、現代人のニーズに応えたことになり、その作品は商業的に大ヒット作となるかもしれない。


『私ときどきレッサーパンダ』は、「自分らしく生きる」ということがテーマの作品だ。このテーマは、様々な要因により自分らしく生きることが難しくなっている現代社会において、多くの人が共感できるものだと思う。もし劇場公開されていたら、大ヒットする作品になるだろう。


ディズニーさん、今からでも遅くないので『私ときどきレッサーパンダ』を公開延期とし、数か月後に劇場公開にしてみてはいかかだろうか。