晴雨兼用の傘

晴雨兼用の折りたたみ傘があれば便利だ。
天気が怪しい時はこれ1本で事足りる。

そこで、職場近くの傘屋へ行った。
この傘屋は店主が作ったりもしている。
普段は高いが、最近ワゴンセールをやっていた。
手頃な傘があるだろう。

そう思って店内に入った。
「晴雨兼用の折りたたみ傘を見せてください」
「これなんて、どうでしょう」
出された傘は軽くて、布はしっかりしていて、柄の部分は小洒落ていて申し分なかった。
これに決めるか。
即断即決。

値段を尋ねたところ、
「12000円」



予算外だ。
がっくりきていると、店主は察したのか
「これなら7000円ですよ」
しかし、12000円の後だと大いに見劣りする。
見劣りするくせに7000円もする。

またまた店主は察して
「こちらの後だとやはり、見劣りしますねえ。どちらも日本製で、良い材料で出来ているんですよ」
そうだろう。良い材料でしっかり出来ている。

ワゴンセール品はお薦めできないという。

「懐が温かくなったら、また来ます。
最近冷房の当たり過ぎでちょっと寒いんですよ」

皇室御用達の傘も似たような値段ではなかっただろうか。

あの傘、ワゴンセールにならんだろうか。
ワゴンに入れてくれば良かった。