しかしフランス軍の行動は予想よりはやく、プロイセンは兵力を集結させる以前に方向転換を余儀なくされる。
「ブラウンシュヴァイク公の軍隊は、進撃方向を変え、ゴータの高地の左側から左方向に転じ、ザーレ川に向かって進撃しました。(戦略的に)ザーレ川をひかえて、右翼が山岳地帯になるように布陣しました。リュッヘル将軍もまたそれにならいました」
「これらすべてのことからして、事情をよく知らない者は、プロイセン側の敵情についての発表以外に、何らはっきりした状況を把握することはできませんでした。そして、フランス軍がその宿営地を出発し、マイン川に沿って集結した時点になって、やっと事情がわかったという有様でした」