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武侯北伐 27

2023-12-28 06:40:26 |  三国志

祁山で大敗北をきっした魏軍は頽勢をたてなおし、渭水まで前線を後退させるいっぽう、西羌の異民族に蜀軍の背後をつかせることとした。以下、吉川英治『三国志』より抜粋。

「欧州、土耳古、埃及、などの西洋との交流が頻繁で、その文化的護、中国大陸よりも逆に早くうけていたこの羌族軍は、すでに鉄で外套した戦車や火砲を持ち、アラビヤ血種の良い馬を備え、弓弩槍刀もすべて優れていたといわれている。」

「軍中の荷駄には駱駝を用い、またその上に長檜をひっさげてゆく駱駝隊もあった。騎駝の首や鞍には、沢山な鈴をさげ、その無数の鈴の音と、鉄戦車の轍の音は、高原兵の血をいやが上にも昂ぶらせた。」

「『羌軍は驚くべき装備をもっている。あれを破るのはたいへんだ』まず高地に立って、敵勢を一望して来た関興は、舌を巻いた容子で、馬岱と張苞にむかい、『鉄車隊とでもいうか、鋼鉄をもって囲んだ戦車をつらねている。鉄車のまわりには、各箇、針鼠のように釘の如き棘を一面に植え、中に兵が住んでいる。どうしてあれを撃 滅できようか。容易ならない強敵だ』と、溜息ついて話した。」



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