昨日は横須賀に住んでいる心友のレッツン室で、ベーゼンドルファーの
ピアノを聞かせて頂いた。それは若い頃音楽関係の仕事をしていて、音色に
敏感な夫のためにお願いした贅沢な企画だった。
友人のピアノを初めて聴いたのは、目白のフォーシーズンホテルのラウンジ
だったが、後で知ったが、シューマンの奥さんの「クララ・シューマン」の
ピアノだった。彼女とは15年ほど前に、経堂の英会話教室で知り合ったが
とても美しく、ムードのある方だと思った。
ピアニストと知り、友人とその演奏聴きに行ったが、私は比較的敏感で、感性
を刺激されると、体がしびれたり、頭がしびれたりするが、その日は、胸の中
を暖かいものが巡るような不思議な感じを受けた。
それから親しくなったが、ある日誕生日が同じだと気づき、確か都心の
地下鉄のホームで思わず二人でハグしたのも、とても懐かしい思い出だ。
「ベーゼンドルファーを買いたいけどどう思う」と相談されたが、「欲しい
と思ったらぜひ買った方が良いと思う」と私は勧めた。
自宅でのコンサートを何度か開いたが、本当にその音色の美しさや、ダイナ
ミックさは素人の私で分かり、とても素晴らしいと思った。
そのため、認知症の夫の感性を刺激するため、お願いしたのだが、リクエスト
もしたが、2人だけで聞いたピアノはとても幸せだったが、夫もとても嬉し
そうだった。3人で乾杯し美味しくオシャレなご馳走を頂いた。
往復二時間あまり、でも夫は帰り路も大層機嫌がよかった。記憶はほとんど
できないが、今朝「昨日の事覚えている?」と聞いたら、「横須加へピアノ
聴きに行ったんだとね」と、ハッキリ覚えていた。
少しずつだが確実に認知症の進行は進み、ますます老化している夫、でも
元気な限り彼の心が潤うことを、できるだけ沢山経験させて上げたいと
思っている。今朝も元気でデイホームのお迎えの車で出かけた。
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