ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

ベーゼンドルファーの美しい音色を全細胞で感じて

2021-09-27 09:00:25 | エッセー

 昨日は横須賀に住んでいる心友のレッツン室で、ベーゼンドルファーの

ピアノを聞かせて頂いた。それは若い頃音楽関係の仕事をしていて、音色に

敏感な夫のためにお願いした贅沢な企画だった。

 友人のピアノを初めて聴いたのは、目白のフォーシーズンホテルのラウンジ

だったが、後で知ったが、シューマンの奥さんの「クララ・シューマン」の

ピアノだった。彼女とは15年ほど前に、経堂の英会話教室で知り合ったが

とても美しく、ムードのある方だと思った。

ピアニストと知り、友人とその演奏聴きに行ったが、私は比較的敏感で、感性

を刺激されると、体がしびれたり、頭がしびれたりするが、その日は、胸の中

を暖かいものが巡るような不思議な感じを受けた。

 それから親しくなったが、ある日誕生日が同じだと気づき、確か都心の

地下鉄のホームで思わず二人でハグしたのも、とても懐かしい思い出だ。

 「ベーゼンドルファーを買いたいけどどう思う」と相談されたが、「欲しい

と思ったらぜひ買った方が良いと思う」と私は勧めた。

 

 自宅でのコンサートを何度か開いたが、本当にその音色の美しさや、ダイナ

ミックさは素人の私で分かり、とても素晴らしいと思った。

 そのため、認知症の夫の感性を刺激するため、お願いしたのだが、リクエスト

もしたが、2人だけで聞いたピアノはとても幸せだったが、夫もとても嬉し

そうだった。3人で乾杯し美味しくオシャレなご馳走を頂いた。

 往復二時間あまり、でも夫は帰り路も大層機嫌がよかった。記憶はほとんど

できないが、今朝「昨日の事覚えている?」と聞いたら、「横須加へピアノ

聴きに行ったんだとね」と、ハッキリ覚えていた。

 少しずつだが確実に認知症の進行は進み、ますます老化している夫、でも

元気な限り彼の心が潤うことを、できるだけ沢山経験させて上げたいと

思っている。今朝も元気でデイホームのお迎えの車で出かけた。

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