ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

老老介護の大変さ

2020-01-29 10:19:08 | エッセー

 私は滅多に怒らなかったが、今朝は本当にキレた。それはデイホームのお迎えの

時間が迫っているのに、薬も飲まず着替えもせず、ぐずぐずしていたからだ。

それは毎回のことだが、どうにも我慢できなくなった。夫を怒鳴るのが嫌なので

流し台の中の瀬戸物を叩きつけた!すると夫が「何しているんだよ!」と言ったので

「あなたを怒鳴れないから瀬戸物にあたっているのよ!」すると夫は「いい加減にしろよ!」

と怒鳴った!怒りは心身に最も悪影響を及ぼす。「怒りは自分で毒を生産しているの

と同じこと」自分にも周囲にも大変悪いことだと、いつも自分をコントロールしてい

るが、今朝はそれができなかった。そんなとき「これが一生続くのだ」と思うとホント

に嫌になる。一般的には認知症の余命は5年、と言われているのは、激昂するため自分で

命を短くするからだ。

 世田谷区の行政で開いている「高齢者認知症介護の会」に参加すると、「夫、妻、親

を殺して自分も死にたい」と時折聞くが、それは介護者の切実な気持ちだと思う。

 心理のプロとして、認知症10年目の夫を只の一度も怒らせず介護してきたが、今朝は

夫を怒らせた。でも、5分後にはそれをすっかり忘れている、認知症はそんな病気だ。

 まだ変わったばかりの認知症専門のデイホームなので、お迎えの時間を勘違いして

玄関でしばらく待たせた夫に気づき、3階に連れてきて「ごめんね。私お迎えの時間

勘違いしたの」と謝り、「後10分あるからお茶飲んでね」とお茶を入れた。

 それに今日は夫の帰る時間は、混声合唱団のレッスンがあるので、鍵を持たせ送り

出した。思えば10年目の夫は「認知症優等生だ」これからも、もっと穏やかに接しな

ければと大いに反省した今朝だった。

              

コメント
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