ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

雨のバス長距離ツアーに参加して

2017-10-23 02:26:04 | エッセー
「天橋立と絶景ローカル列車空から船から列車から!若狭丹後近江ぐるり周辺」
という、かなりタイトなバスツアーだった。
 8時半に新宿を出たが、雨が降っていてトイレ休憩を二度挟んで、ひたすら
近江八幡へ向かった。その情緒ある古い街並みを散策したが、その時雨はほとん
ど降っていなかった。しかし地方の街はどうして人がいないのだろう?と不思議
な気がした。バスは満員だったが、私達は特別料金の前から三番目までの席を
申し込んだので、出入りが随分楽だった。
 一人参加の人も結構いたようだが、琵琶湖半を通って、長浜太閤温泉の
ホテルに着いたのは5時半だった。私達同世代前後だと思える高齢カップルが
多く、杖をついていた人も何人かいて、「やはり超高齢化社会の現状なのだ」と
痛感した。

 



次の日は薄日も出て、「三方5湖レインボーライン」リフトで登ったの山頂は
私達のツアーだけだった。まるで貸し切り状態で、それほど広くなく、縁結びの
ための神社もあった。バラ園などがある公園をゆっくり散歩したが、思いがけず雨に
濡れたバラが美しく、花好きの私は思わず立ち止まって見とれ、とても嬉しかった。
 雲がかかっているためか、絶景と言われる湖はあまり見えなかったが、とても幻想的で
自然の情景の素晴らしさに、私はしばらく目を奪われとても感動した。

 

 






 

そこは恋人達の聖地と呼ばれているそうで、結ばれるようにと神社のほかに、あちこちの通路の柵
には数え切れない南京錠がぶら下がって驚いた。でもこの大量のカギをつけたカップルは、果たして
何パーセントが結ばれたのだろう?恋ほど心燃やすものはないが、全てが結ばれる訳でなく、それも
また人生なのかも知れない。





実は私は天橋立を歩きたくて参加したので、ガッカリしたが、ケーブルで昇った山頂から
天橋立がとてもハッキリ見えたので我慢した。
 その日はケーブルカー、リフト、列車、遊覧船など色々な乗り物に乗ったが
実に沢山見学箇所が盛り込まれていて、とても個人では来られないと感心した。
 列車から見た海も、伊根の舟屋を見学した時も、空が晴れて海がとても青く
美しかったが、あんな海べりに住む人達は、一体どんな生活をしているのだろうと
都会に生まれ育った私には想像がつかない世界だった。





 三日目の帰りもまた、雨脚はかなり強かった。黒壁スクエアーで買い物をし
彦根城に着いたが、二人共以前来たことがあり、平地にある庭園だけ見た。
 帰りはひたすら東京に向かうだけ。私は長い車内の時間は、写真をpcに送り
友人達3人とメールのやりとりをした。大変遠距離のバスの旅だが、バスはとても広々して
ドライバーの運転テクニックはバツグンに素晴らしく、また世話役の添乗員さんも実にきめ
細かく気を使って下さった。往復のお天気には恵まれなかったが中日は最高で、とても良い旅で
私はまったく疲れなかった。後ろに座っていた一人参加の中高年男性達は、気が合った
のか、ほとんどお喋りをしで嫌でも聞こえてくる。少々うるさかったが、色々な情報が入って
くるので、雨で車窓が楽しめなかったわりには、時間の経過が気にならなかった。

 車窓で一番嬉しかったのは、コスモスが畑いっぱ咲いていたことだ。
夫と以前長いバスの旅のニュージーランドへ二度行ったが、「日本のツアーはそれに比べ
実にきめ細かいね」と、夫としばらくその思い出話をした。
 昔のことは明確に覚えている、でも、最前列の座席が降りる度に分からなくなった夫。
発病して早や7年半以上、緩やかだが認知症は進行していると改めて感じ、私も
「ますます心を引き締めなければ」と、改めて覚悟させられた雨の旅だった。
コメント
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