軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

LIVE AT VILLAGE VANGUARD / アダムス プーレン カルテット

2005-11-22 08:00:00 | 音楽
GEORGE ADAMS: TENER SAX
DON PULLEN: PIANO
CAMERON BROWN: BASS
DANNIE RICHMOND: DRUMS

1.THE NECESSARY BLUES
2.SOLITUDE
3.INTENTIONS
4.DIANE
1983 SOUL NOTE

ジョージ・アダムス ドン・プーレン・カルテットのライブ盤と言えばジョンスコとのモンマルトルが有名ですが、カルテットの本来の魅力を楽しむことが出来るのは、ソウル・ノートから出ていたこのライブと「Vol.2」ではないかと。でも一番望んでいるのはマウント・フジのライブだったりして・・・・出てこないだろうな・・・・あの頃はブルー・ノートだったし。

1曲目。プーレンの作でモンクに捧げている曲です。モンク・・・でも問題なく良い感じの曲ですね。ベースのウォーキングが心地よく、その上ドラムが最高にエキサイティング。まずはピアノ、意外と大人しい演奏で、確かにモンクの様なフレーズが後半飛び出し、鍵盤の上を猫手が飛び回るいつものパターン。決して裏切らないエンターテイナーでした。結構いつもより余計に飛び回っています。アダムスが乱入、すでにテンパッテいます。4人が一丸となって盛り上がりを見せていますね。なかなか素晴らしい。長めのベースソロも及第点。ドラムソロが好いですね。バシバシとしなる様なスティックさばき。全編にわたってドラムのアタックの効いた複雑かつエネルギッシュな演奏が印象的な大変素敵な曲でした。
2曲目。オリジナルが多いカルテットにしては珍しくエリントンの曲。フリーキーなアダムスのソロから始まります。ゆったりシットリとした雰囲気のテーマ、アダムスのテナーが噎び泣く、御得意の甘いバラード。テナーに続きピアノ、最初は実に落ち着いた演奏ですが・・・この曲は普通に弾き通すかな?まあ、少しだけ鍵盤の上をスライドさせていますが、実に美しいピアノの響き、プーレンというピアニストはジャズ的なノリはあまり感じさせませんが、この手の演奏はとても素敵ですね。華麗な指さばきが堪能できました。再びテナー、最初は優しく、段々と優しさを残しながらも豪快な演奏に変わります。ブギャブギャを織り交ぜた感情を多少抑えている様な、暴走しない演奏でしたね。
3曲目。アップテンポなアダムスの曲、テーマから吹き続けるテナーのバックのピアノがなかなかステキです。ナイスなバッキングですね。テナーはブギャブギャと全開で、リズム隊もノリノリの演奏。盛り上がって参りましたねぇ。続いてピアノ、文句なしに全開猫手・拳骨・肘打、この人の場合、山下洋輔の様に全身をくねらせて暴れるタイプではなく、背筋を伸ばした綺麗な姿勢でムチの様な腕をしならせての猫手ですので、ある意味とんでも無い凄みを感じますね。強者3人を相手にキャメロン・ブラウンも結構頑張っていますね、ベースソロは単調に聞こえますが。ドラムがテンション高い、ジョンスコとのライブでは聞かれなかった様な演奏ですが、体調によるのでしょうかね。
4曲目。ミンガスの曲ですよ、恩師ミンガス。歌う様なテーマ、美しい曲ですね。まずはピアノ、ミディアムなテンポで華麗に美しく、鍵盤全てを使い尽くす様なワイドでオーケストラルな演奏です。テナーはとても感傷的な繊細な音色、ミンガスとの思い出を振り返っている様なシットリと落ち着いた演奏です。ベースソロもシットリと、全体にいつもとは雰囲気の違った演奏になっていました。

黄金カルテットの魅力をタップリと味わえる名ライブですね。花火の様に散っていったカルテット(キャメロン・ブラウンは生きていますが・・・何やってるんでしょうね)。息がピッタリと合った素敵なバンドだけに、大変残念です。
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