重低音のBlue Canary

♪ 思いつくままを、つたない文と photo で …

空が…

2006-03-02 | ぼやき
三日月は 反るぞ寒さは 冴え返る  小林一茶

春めいてきた頃、寒さがぶり返すことを「冴え返る」って言うんだそうですね。夕方のテレビで、お天気兄さんが紹介していました。
今日はそんな1日。北風が寒かったです。

今年9月に完成して正式に「名古屋で一番のノッポビル」になる駅前「ミッドランドスクエア」の下を通ってきました。



通勤時、見晴らしのよい橋の上から毎日、遠くに見てはいるんですが、真下から見上げるとさすがに高いですね。

地上47階地下6階建て、高さ247m。これまでの最高だった、斜め向かいのJRセントラルタワーズを2m上回るんだとか。見栄張っちゃいましたよね。

でも、こうやって高層ビルが次々に建ってゆくこと、あまり好きじゃありません。空がだんだん狭くなってゆくから。
都心の上空を縫って走る高速道路もそう。
都会から、空がどんどん奪われていきます。


智恵子は東京に空が無いと言ふ。
ほんとの空がみたいと言ふ。
わたしは驚いて空を見る。
桜若葉のあいだにあるのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地上のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だと言ふ。
あどけない空の話である。
――高村光太郎「あどけない話」

智恵子さんが嘆いた意味とは違うようですが、ともあれ名古屋も、それほど遠くない将来、空を失ってしまうのでしょうか。