金丸文武の日本放浪ブログ

放浪の詩うたい 金丸文武の日本放浪での出来事

宮崎到着

2012-04-26 18:32:01 | Weblog
兵庫県の北部、山あいの田舎に植村直己記念館がある。
別に植村直己を崇拝しているわけじゃないが、旅をするものとして大先輩の偉業に触れようと、先日、行ってみた。

日本人として初めてエベレストに登頂。
世界初の五大陸の最高峰制覇。
アマゾン川の三千キロイカダ下り。
南極点、単独到達。
北極犬ぞり探検。

数え上げたらキリがない偉業を成し遂げた日本最高の冒険家、植村直己。
43歳でマッキンリーで行方不明になり、遺体が未だ発見されていない伝説の人物。

この記念館には、彼が数々の山や南極などの極地で使用していたアザラシの皮でできた防寒具やブーツ、使い込まれた登山用具、コップやアックスなどの装備が展示してあった。


俺は世界一周といっても、そんな極地で命の瀬戸際みたいなサバイバルをするつもりはない。
まだだれもしたことのない驚くべきチャレンジをするつもりもない。
でもやっぱり、世界初、とか日本初、とかって言葉は憧れるなぁ。

順路を進んでいくと、今度は名うての冒険家に贈られる、植村直己賞を受賞した人たちのコーナーがあった。
まあみんな変なことしてるわ。
負けず嫌いなんだよな。

これやろう!
いや、これはもう誰かがやっている。
よし、じゃあれやろう!
いや、あれも誰かがやってるしな。

なんかそんな感じ。
だから何?ってことでも、人からすげえ!って言われることがこの世界の偉業となる。


俺がやろうとしている世界一周なんて、誰でもやってる平凡なこと。
植村直己賞の候補にもあがらない、その他大勢の中の1人。

でも、俺には俺の旅がある。
知らない土地で、俺という人間のすべてを懸けて生き抜けば、つけた足跡すべてが偉業だと思う。


順路の最後に、
「植村直己を継ぐものたち」
というコーナーがあって、そこには壁一面にここを訪れた旅人たちの写真が飾られてあった。
皆、

自転車日本縦断中!

とか、

ヒッチハイク日本一周中!

とかって看板を掲げている。中にはこの記念館がゴールだったという人もいる。
誰か知り合いいるかなー、と写真を見ていたら、


あれ……?

あっ!


ショウタくん!?

ショウタくんだ!!

俺の本にも出てくる、10年前に旅のはじめに沖縄で出会い、石垣島で一緒にキビ刈りをした千葉のショウタくんがいた。
日本一周中!って看板を抱えて笑ってる顔は真っ黒に焼けていた。

まだ旅してたんだ。
ショウタくん、俺もまだ旅してるぜ。


よーし!俺も写真撮ってもらおー!って帰り際、受け付けのとこで立ち止まったりウロウロしたり挙動不審な動きをしまくってみたけど、完全シカトですよね。

(´Д` )ムナシスギル


結局、壁に写真が貼られることはないけど、別に植村直己を継ぐものではないしな。
俺は俺の道をいきます、先輩。



現在地、宮崎県。
故郷の空はうっすら夕焼け。
今回の日本縦断も無事完了。

さて、新たな旅の準備開始だ!

元祖長浜屋がなくなっていた

2012-04-24 23:59:18 | Weblog
十代のころから博多に来たら必ず食べてるラーメン屋さん、

元祖長浜屋

博多人だけでなくラーメンファンなら誰でも知ってる九州とんこつの聖地。

「え~食べ方わかんない~」
とぶりっ子でラーメンの食べ方がわからないと言う女の子に遭遇したこともあるこの店。


何も言わなくても店に入ったら注文が完了していて、席についたらラーメンがドンっと乱暴に置かれてスープがこぼれるというおっかないお店で、常連さんは「ベタナマ!」とか「カタ、ネギ盛り」とか謎の言葉を発している。

たいがいみんなその異様な雰囲気におどおどしてしまう。

ちなみにベタ、とは油多めのこと。反対はナシ。
麺の固さは、
バリヤワ
ヤワ
普通
カタ
バリカタ
ナマ

これらの好みなどを店員さんに伝えるのだ。
長浜ラーメンは長浜の漁師さんたちの腹ごしらえのために発達したものらしく、麺の茹で時間を短くするために麺が細くなり、その分、量が多い。
元祖長浜屋は今も漁師さんや港で働く人たちのために朝は4時から営業している。
替え玉って文化が生まれたのもこの店。

とまぁ九州の人間には、もうなくてはならない存在のお店なんだけど、




なくなってやがる………



嘘だろー!??!!



空き地になってる!!!

え?

えっ!!?


そんで周りに、なんか似たような名前のお店がいっぱいある!!

どういうことだぁぁぁ!!


調べたところ、なんか変な話が。

二年くらい前に道路拡張のために店を閉めざるを得なくなったらしいのだが、もちろん移転して店は続けることに。
しかし、移転とともに元従業員が独立して道路向かいやすぐ隣に、「元祖長浜家」とか
「元祖長浜  屋台ラーメン」
とかっておんなじような名前のお店を開いたらしい。
味も店作りもほぼ同じ。
あの一角で三つ巴の様相をていしている。
なんだか嫌な話だなぁ。まぁ美味しいラーメンが食べられるんならそれでいいけど。


てなわけで元祖長浜家の目の前にある新しい元祖長浜屋へ。

相変わらず400円。
相変わらず置くときスープこぼしすぎ。
相変わらず美味すぎ。

マズイとかジャンクとか言う人いるけど、あれは美味いよ。最高だよ。

日本ラーメンブログ、元祖長浜屋でシメられてよかった!

ありがとんこつ!

福岡ですよ。

2012-04-23 20:32:29 | Weblog
博多ですよ。

九州ですよ。

なぜかドキドキします。

帰ってきたはずなのに、ずいぶん遠くの知らない町に来たみたいだ。


ラーメン好きですからね。
やっぱラーメンだよね。

まず一発目ここ!

だるま!

もうめちゃ有名店。

警固にこれまた有名な秀ちゃんって店があって好きでよく行ってたけど、あそこはこのだるまから分かれたお店らしい。

味は……

けっこうあっさり目だな。
秀ちゃんみたいなインパクトがない。
まとまった味でまぁ万人が好きそうな感じかな。


さて、夜になったら宮崎からじゅんちゃんが迎えに来てくれる。
三ヶ月の旅もこれで終わりか。

夜は屋台に焼きラーメンに行くかな。

本州最後の路上を終えて

2012-04-21 23:26:07 | Weblog
尾道の飲み屋街は、新開という名前だ。
どんな由来だったか前に聞いた記憶があるけど忘れてしまった。
ただ覚えているのは、昔このあたりが遊郭街だったという話。
今でもこの一帯だけ路地が異常に入り組んでいて、巨大迷路みたいになってるんだけど、それは逃げ出した遊女が簡単にこの一角から抜け出せないようにしたためだったという。


そんな新開の飲み屋街。何度も歌った路上に腰かける。
ギターを鳴らせば音色が路地に響き渡る。

たくさんの知り合いが見に来てくれた。
新しい出会い、消えていった人、尾道ただいま。

松谷社長、従業員のみんな、R&Rの社長、べっちゃあのみなさん、大好きなライブバーであるオエコモヴァのご夫婦、
そして写真のお好み焼き屋さん、何回も食べに行ってて歌わせてもらったりしてるのにお店の名前わかんない!ごめんなさい!

みんなありがとう。
また会いに来ます。



さて、尾道を後にして今日は山口市で歌おうと車を走らせた。
山口もまた好きな街。
湯田温泉と中也と瑠璃光寺とザビエル、
詩心をくすぐる街。


が、夜になるにつれ雨と風が強まり、日が暮れたら暴風雨。
なんかこのところ毎週週末になると雨だよな。
こんちくしょう。

もう行くか!



行けええええ!


フグの口に突入!

フグの口を飛び出す!


三ヶ月ぶりの九州うううう!


あれ?俺九州男児だよな?

そうそう、俺って九州男子なんだよ。
なんか日本中に馴染みの土地があるから、そこに体が順応してしまってまるで九州こそ知らない土地かのような、そんな不思議な錯覚に陥る。

俺九州男子なんだよな。
それがじんわりと誇らしい。


現在地、香椎の埋立地の埠頭。
コンテナとクレーンが並ぶ道路で信号は無人の交差点を赤く染め、青く染めている。


明日からラーメン食いまくってやる!

ばあちゃんちは圏外

2012-04-20 14:35:47 | Weblog
岡山のばあちゃんちはとても山奥にある。
すごく。
携帯はもちろん圏外。
イノシシ獲りの仕掛けがそこらへんにある。

そんなスーパー山里だと人の目が気になるもの。
行くためには身だしなみを整えなければいけない。
長髪はいけない。
ヒゲなんてもってのほか。

なので一応ヒゲを隠すためにマスクをしたよ!

全然隠れてない(^-^)/


「あ~あぁ~、そがぁにこきさない格好ばぁして、おえんわぃ。」

岡山弁。お母さんがたまにポロリとこぼすなまり。
お母さん、ここで育ったんだよな。

子供の頃から正月はいつも里帰りしてここで過ごしていた。
土間や倉、農機具、土の匂い。
夜中、外にあるトイレに行くには決死の覚悟がいった。
雪がしんしんと降り、山はいつも黒くうずくまっていた。

お父さんお母さんがいなければ絶対に来ることのできない山奥の別世界だったばあちゃんち。
今ではこんなに簡単に来れる。



お昼ご飯を一緒に食べ、ばあちゃんちを後にした。
向かった先は広島県尾道市。
今回の旅の締めくくりの街。
造船と坂とお寺の町。
瀬戸内の小さな町。

最初に顔を出したのは尾道に初めて来たころからずっとお世話になっている松谷社長のいる松谷産業。
もう19時だというのに、みんなガンガン作業をしていた。

「おーう、フミ。久しぶりじゃのう。まぁ中入りんさい。」

ここ2年の間の話を聞かせてもらった。
ずいぶんと大変なことがあったようだった。
なんてこった。

明日は雨降らないでくれよな。
久しぶりの新開。歌わせてくれな。