僕は日本酒が好きです。
ので日本中の酒蔵に見学に行き、蔵人さんにたくさんお話を伺ってきました。
月桂冠とかの四季醸造をしている大手蔵から、誰も知らないような200石足らずの醸造しかしていない土着の蔵まで100軒は軽く行ってます。
土地土地の居酒屋にも連れていってもらい、地酒でその土地の旬のものをいただく。至福の時間です。
さて、今回の長野の居酒屋さんでの一コマ。
大将がグロテスクな赤い塊を取り出しました。沖縄のスターフルーツにビラビラがついたような見るからに気持ち悪いもの。
隣のおじさん
「なんじゃそりゃ!?貝か!?」
文武
「あ、ホヤですね。酒がうまいですね。」
隣のおじさん
「ちょ、ちょっとそれもらえるか?」
僕は宮城三陸の石巻で食べたことがありました。その時は石巻の銘酒「墨之江」(漢字が出ない)でいただきました。クセがありますので万人は好きじゃありません。
出てきたホヤを食べてるおじさん。もう明らかに面食らってる‥‥‥
隣のおじさん
「いや-!!これだわ-!!これ!!うまいっ!!まさか長野でホヤが食べられるとわな--!!!」
完全に強がってる‥‥‥
隣に座ってる若造の僕があんなこと言ったもんだから、
「酒が進むわ-!!」
とあっという間に四合くらい入ってた酒瓶を空にした。
隣のおじさん
「いや-!まさか長野でホヤが食えるとはな-!!うまいっ!!なっ!!兄ちゃん!!」
もうずっと言ってる。
隣のおじさん
「いやほんと長野でホヤが食べられるとはな-。大将!!次ホヤが入ったら絶対電話してな!!」
ママ
「まーだ言ってるよ、この人は-。」
この前、小浜で聴いた落語を思い出しました。
知ったかぶりをしたおかげで腐った豆腐を泣きながら食う羽目になった人のお話です。
落語では最後に、どんな味がするんだい?と聞かれて、
「これがねぇ‥‥うぇ‥‥‥豆腐の腐った‥‥‥うぷ‥‥‥味なんですよ-。」
という落ちなんだけど、隣のおじさんはそのまま街に繰り出していきました。
飲み屋のおばちゃんにホヤの話さんざんしたんだろなぁ‥‥
というお話でした。
写真は飲み過ぎて二日酔いで目覚めた車の外。