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・・・・・・・・・・10m歩いては倒れ込み引き起こし、また10m歩いては倒れている。
上を見ると真っ暗な山の頂上に星のようにポツンと小屋の明かり。
すぐそこに見えるのだがそのちょっとがあまりにもきつい。
凍てつく風に吹き飛ばされそうになり、なんとか岩陰に隠れた。
「カネヤン・・・俺もうダメ・・・・俺のことは気にせず先に・・・・スースー。」
「死にますよ!!M浦さん!!」
「・・・あ、今死神さんが手まねしてた・・・腹へったー・・寒いよぉぉ・・・・」
ロードオブザリングのクライマックスかよ・・・・・
ありったけの防寒着を着込んでうずくまる。
食料はとっくに底を尽き、あとソーセージ1本づつ。
高山病で頭痛がひどい。
うー、さすがは日本1の山・・・
30分ほど岩陰で仮眠をとってから、萎える気力を振り絞り登りはじめる。
足が笑い力が入らない。
突風によろめき、立入禁止のロープの外に落っこちそうになる。
もうちょっと・・・・もうちょっと・・・・・・あ・・やった・・・頂上の鳥居が見えてきた・・・・・
21:30。
山頂の山小屋の前にあるベンチで最後の食料をちびりちびりと食べる。
眠れそうな場所を探すがそんな都合のいいポイントはないんだよな。
しかたなく小屋の凹みにうずくまり目を閉じる。
嵐のように吹き荒れる暴風。
体中の震えが止まらない。
見上げた夜空には手に届きそうなほど近い星。これならいい日の出が見られそうだ、という期待が唯一の救いだ。
8月19日 (土)
「・・・金丸・・・金丸・・・・金丸!!」
「・・ん・・・ん・・はい?うわっ!!」
一瞬状況を把握出来なかったがすぐに異変に気付いた。
山の神は酷だ。
さっきまでの星空が嘘のような土砂降り。
ソッコーで荷物を抱きかかえて近くのトイレに駆け込んだ。
まだ0:00。結構きれいで座るスペースくらいはある。風も入ってこないし、この状況ではまるで天国。
濡れた体でガタガタ震えながらホッカイロを握りしめる。
するとドアが開いた。やば、山小屋の人が追い出しにきたか。
「Oh!!Outside storm!!」
入ってきたのは欧米人の兄さん。
やはりズブ濡れでガタガタ震えている。
1人くらいならまだスペースあるなと思っていると、おいおい、次から次へと入ってくる。しかも全員外国人。
12人の外国人にギチギチに取り囲まれ俺とM浦さん、居心地悪いことこの上ない。
「欧米か?」
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長く、エキサイティングな夜でした。
なぜ富士山が長野編なのかというと、まぁ、ただたんに調整上、山梨と静岡にいる時が冬だったので長野の途中に行っただけなんだよね。
最初は元旦に登って初日の出を見てやるなんて計画してたんだけど、アウトドアショップで聞いたら、
「100%死にます。スケートリンクの山を登るのを想像してみて。1歩滑ったら1合目まで滑走だから。冬は、外国の山に登りに行くパーティーが訓練で登るくらいだよ。」
と言われ断念しました。さすがにそこまではなめてません。
6月24日 (日)
宮崎『ウエザーキング』
開場15:00 開演15:30
チケット 700円?800円?
宮崎の実力派が集まるアコースティックライブに出演させてもらいます。
また詳細がわかったら報告するね