乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

叫化鶏(乞食鶏・富貴鶏) 中国・杭州

2008年04月12日 | 中国 2006~2019(7回)台湾、ベトナム、

 

(写真上が乞食鶏。ナイフとフォークで蓮の葉を開き、料理を散り分けてくれる。左上のぼやけた部分は、ナイフとフォークを 手早く動かす様子。)

 

   叫化鶏(乞食鶏・富貴鶏)

 

 杭州で乞食鶏を食べた。

 この乞食鶏は富貴鶏ともいう。

 いわれは次のようなものだ。

 

 西湖のほとりで、2人の貧乏な男が出会う。

 盗んだ鶏を持った男と、くすねた米を持った男。

 二人は盗んだ食材で何か料理しようと考えたが、当然だが、道具を持ってない。

 鶏の腹に米を入れ、西湖咲く蓮の葉で鶏を包む。

 湖畔の泥にうずめた上で、焚き火をすること半日。

 途中、鶏泥棒を探すため来た役人は、二人を泥棒とは気づかない。

 役人は去り、泥の中から鶏を掘り出すと、かちかちの粘土の焼き物。

 二人はそれを石で割り、蓮の葉をとり、鳥を取りだした。

 料理の芳香葉あたり一面に広がり、役人が駆けつけ、料理を横取りした。

 あまりのうまさに役人は王(宮廷)に調理法を伝授。

 喜んだ王は役人には昇級、二人には莫大な金品を与え、大金持ちになったそうな。

 後に評判となったこの料理は、元のくすねて作られた意味から叫化鶏(こじき鶏の意味)と呼ぶ。

 又、盗人が大金持ちになったという意味合いから、富貴鶏ともいわれるそうだ。

 

 何ともはや、楽しいはなしではないか・・・。

 悔しくも私たちの食べた乞食鶏の腹の中には詰め物は無かった。

 土の部分は省かれており、唯一、蓮の葉に巻かれていたのが救いというもの。

 これが無ければ、単なるクリスマスのチキンを小さくしたものになるかも・・・。

 家で焼くときは詰め物をする分、愛嬌があるとも言える。

 

 蓮の葉で巻いた鳥は、葉の水分効果で、しっとりと焼き上がっていた。

 葉を巻きことによって、香りが広がるのかと思っていたが、話のようにはうまくはいかない。

 この料理、たぶん圧力釜で蒸し焼記されたようであるが、水分蒸発のおりに、においは飛ばされていた。

 たぶん土で巻いて半日蒸し焼きといったことになると、陶器常になった囲いがあるために香りを逃さなかったと言うことが考えられる。

 今この方法で料理を再現するには、一体どれくらいの費用がかかるかと思うと、心はやはり富貴鶏ではなく、乞食鶏なのかも知れない。

   

 

 写真上は、龍門古鎮の民家で作っておられた、ヨモギ入りまんじゅうと餃子。

 ヨモギはここでは多くの民家で料理されていた。

 おばあさんが、食べていくように勧めて下さったが、悪いので辞退した。

 今になって、後悔している。

 ヨモギを石臼でつく家庭にも出会ったので、つかせてもらう。

 これが結構な力仕事。

 もちろんこのようにはしゃいでいたのは、私一人。

 大人になりきれない、乱鳥。

 気持ちだけは、まだ学生気分。

   

 

 上は上海のピリ辛魚料理。

 広州や賀州に比べて甘いのが特徴。

 味の奥行きは、私は広州や賀州。山だが、雲南省の海鮮料理店の方が好きだったかも知れない。

 ただし今回の旅行は いつもと勝手が違い個人で夕食後に食事に繰り出す機会がなかったため、美味い料理にありつけなかったことも一因かも知れない。

 

 杭州・上海あたりと広州の料理の決定的な違いは他にもある。

 写真のように 杭州・上海あたりの料理は手が加えられている。

 魚に飾り包丁が入り、まるでパイナップルのようだ。

 野菜の煮込みや炒め物もちがう。

 杭州・上海あたりの野菜は4,5センチにそろえられて切られているが、広州や賀州では茎の長さのまま出てくる。

 今の時期、菜の花の茎も美味いが、私個人の好みとしては、長いままが美味い。

 

 スープの味は杭州・上海あたりや山西省あたりは ウエイパー+α で簡単に味付けられたものが多い。

 それが雲南省になると、やたら薄く、味が無い。肉と魚肉ソーセージが同じ椀に入っており、ある意味 とても楽しい。

 広州や賀州あたりのスープは、陳皮や肉の骨や油、香辛料などで複雑な味付けが多く、至って美味い。ただしパツァイなども加え、結構な香りである。やはり、食は広州にあり!なのかも知れない。

 

 しかし四川省や北京なども料理がうまいと聞く。

 まだ行かぬ地の料理は比較しようがないのが残念。

 

   

 

 杭州や上海ではちまきが有名らしい。

 また、上海では豚や鳥、レンコンに肉の詰め物をした甘辛煮込みが有名らしかったが、機会を逃した。

 かなり甘い料理らしく、ここでは糖尿病を患った人も多いと、ガイドの説明。

 

   

 

 ちまきの横ではよもぎ餅も売られている。

 中にあんの入ったよもぎ餅・・・。

 写真には無いが、上海ではよもぎ餅に似た、茶の餅があった。

 私は間違ってこの茶の餅を購入。

 帰宅後広口食べたが、さすがの私も、苦さと油の多さに閉口。

 滅多に食べられないものの私としては、不覚の事態。

 

   

 

 写真は杭州で食べたファーストフード風の餃子三種。

 皮は厚く、中身は複雑な材料で美味い。

 ビールをいくらか頼み、小腹をふくらませた。

 

 今回の料理は、美味いものに当たらなかった。

 成り行きで、二人で食事の時間を持ちがたかったためだ。

 団体に出された料理は、各地ごとに紹興料理などといった名が付けられていたが、おおむね毎日安価な材料で数だけは多く、これといっては変化にかける。

 調理場やメニューなどを見に行ったが、好きな料理を頼む分には、きっと美味い料理にありつけたことに違い無い。

 こどもが杭州あたりを旅したとき、たいそう美味い食事を楽しめたと聞いていた。ただし一人旅だったので、数は少なめに頼んだとのこと。

 よって 杭州・上海では美味い料理にありつけると思いこんでいただけに、今も口惜しく残念でならない。

 記録するに値しない料理内容で、お恥ずかしい限りです。

 

 

 


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9 コメント

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おはようございます (綾子)
2008-04-12 08:49:04
おいしそうですね。こじきどりには、お話があるのですね。おばあさんのお料理は残念でした。召し上がれば、良かったですね。
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Unknown (ししです。)
2008-04-12 20:11:19
乞食鶏を杭州で食べられたようですね。写真では凄く美味しそう!  そもそも乞食鳥は杭州料理ではなくて、蘇州料理ですよね。私も以前、本当に土を割って出てきた鶏を食べましたが、北京ダックのパリパリの皮のほうが美味しかったような記憶があります。最近、上海や香港の日本人がツアーでよくいく有名な飯店は、味が日本人好みになっているんですって。
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こじきどりの話 (綾子さま)
2008-04-13 15:20:36
本当ですね。
私も今回この料理を頂き、帰国後に調べて初めて知りました。
料理もこう考えると楽しいものですね。

なんだかいろいろな中国の方と、楽しく過ごしました。
古鎮の民家で、中国人のおばさんのゼンマイの処理を手伝って遊んだり、若い人たちが洗っていた、確かミズヒシ?だったかミズ・・だったかいう、黒い柿のような果物を両手いっぱいにいただいたり・・・。暗いお部屋で食事を作っていた民家のおばあさんの薪くべをお手伝いしたり・・・。面白かったです。
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コメント、ありがとうございます。 (しし様)
2008-04-13 15:57:04
土を割って出てきた鶏って、本格的ですね。食べたかったです。やはりツアーでは日本人に合う味付けに変えられてるのでしょうね。なんだか、物足りない。ツアーの食事をやめたり、夜に個人的に食べに行くと、結構おいしいものにありつけることが多いです。そういった店は、周りは中国人ばかりってことも多いですね。

北京ダックのパリパリの皮って、やはり美味しいんですね。息子が北京に一人行ったときに、北京ダック有名店に入ったらしいのですが、かなり美味しかったそうです。
北京ダックを広州で食べたことがあるのですが、ツアーだったためか、皮は柔らかくしっとりとしており、すぐ下に分厚い白い脂肪のかたまりが多く、美味くありませんでした。これなら、日本の方が美味い。次回中国に行くときには、何かに付け、是非個人でゆっくりと楽しみたいと肝に命じた旅でした。
基本、ホテル(旅行に組み込まれたもの)や観光客相手の料理は好きでない場合が多いです。旅行者の中には、日本料理店に走ったり、カップラーメンやふりかけを持参されていることも多いですから、日本人の好みにせざるをえないのでしょうね。(でも、カップラーメンを持ってこられても、いいと思いますよ。旅は食事ばかりでもありませんものね。)
桂林あたりにいっても、鳩料理でさえ、ガイドは隠しますから・・・。「チキンです・・・って。」でも、なんか味が違うって感じで、皆さん箸を付けないのです。別に、私も下手物が食べたいわけではないのですが、桂林あたりは野鳥料理も有名でしょう。私は、食文化も受け入れたいと感じています。ガイドは私には、結構正直に教えてくれます。

ししさんは中国をいっぱい回られて、いろいろと美味しいもにも食べられたのでしょうね。私は中国の食事について、ほとんど知りません。あまり多くを食べてないからです。でも、桂林の朝、ホテルの朝食をやめて、二回食べた米麺(二元)と煮卵の味が忘れられません。中国の方たちは朝から麺を食べてらっしゃいましたが、味が相当に美味しかった。息子も一緒だったのですが、桂林よりも北京や杭州などの朝の麺や饅頭の方が美味しかったというのです・・・。中国は相当美味しいものがありそうですね。知らないことだらけです・・・。
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Unknown (Unknown)
2008-04-14 08:41:44
桂林に行かれたのですね。漓江川をフェリーで下る「漓江くだり」は、景色が墨絵のようでさぞ感動されたことと思います。しかし、フェリーで出された料理(中国の家庭料理?)はお腹がすいていたにもかかわらず、あまり…でした。観光客と見れば近寄ってくる土産物売りの少数民族の方々にも閉口しました。素晴らしい景色と裏腹に、あまりいい思い出がありません。どこへ行っても「千円」「千円…」といって近づいてくる物売りの声が、帰国してからも当分耳に残っています。 
美味しい饅頭は最高ですよね。日本ではなかなか出会いません。 
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Unknown (ししです。)
2008-04-14 08:42:29
先ほど、名前を入れ忘れてしまいました。
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桂林 (しし様)
2008-04-15 01:05:25
一昨年の12月に息子も含めて3人で漓江くだりをしました。ちょうど12月26日で、外国人たちはサンタの姿で楽しんでおられました。漓江くだりは四時間コースで、水墨画のような景色を堪能していました。水墨画の中に不協和音のはずのサンタが妙にマッチし、これも又中国らしいなと感じました。

牛に水をやりにこられたり、洗濯や水くみなどの、中国の方の日常の一部でも見ることができ、船から見える丘の様子は興味深いものでした。又、船に住んでタニシなどを捕り生活する人、アヒルや鴨等をかって生活する人、鵜飼いの方などは今も忘れることはできません。まるで映画の中に自分がはまりこんだような気がしました。

船の料理はたいしたものはなく、印象が薄いです。ただ、桂林はタニシ料理も有名でしょう・・・。船の中で注文しなかったがために、後々までであわず、食べそびれてしまいました。あれって、美味しかったのでしょうか?

おっしゃるとおり、船をおりると物売りが多かったです。家族などは「千円」「千円…」と周囲を取り囲まれ、本に気をとらせて、左手は上着のポケットの中に入る直前でした。私が、「だめ!」「不要!」といい、走って泥棒を遮ると、彼女たちは一斉に「だめ!」を連呼して、私をにらみつけていました。あそこは本当に、注意が必要ですね。あそこはうるのが目的というより、本職はスリと聞いていましたが、家族が本当に合うとは思いもよりませんでした。
桂林ではありませんが、一度偽札(50元)をもらったことがあります。今も手元にありますが、どう違うのか、あまりわかりません。対策として、最近ではできるだけ10元でおつりをもらうようにしています。

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盗難・・・ (ししです。)
2008-04-15 09:28:10
桂林の観光を終えて、深セン(土偏に川)に一泊しましたが、そこで大変な目にあいました。チェックインの手続きで、同行の6人グループ全員のパスポートを、添乗員がカウンタに持って行った際、カウンタの上においた全員のパスポートを盗まれたのです。今でもあまり思い出したくないハプニングに会ってしまった訳けです。どうやらホテル側の従業員もグルのようで、紛失した際に何もしてくれませんでした。現地の観光会社を通じ公安に届けたのですが、その夜は忙しい、とかなんとか言われ、朝方簡単な調書で終わってしまいました。それからが大変で、6人は公安に連れていかれ、犯罪者のように写真を取られ、昨日までの行動まで詳しく調べられました。まるで被害者の我々が犯罪者の様に扱われ、大使館のある香港に連行?されてしまいました。ここからは出国の為の苦労の連続で、折角の香港の夜も大使館に缶詰(軟禁)状態でした。工程より1日半遅れで漸く帰国しましたが、国内でもパスポートの再発行に苦労をした覚えがあります。嘘のような本当のお話しです。乱鳥様も海外旅行の際は、なにはなくともパスポートが命です、充分お気をつけていただければと思います。余談ですが、私の顔に近い現地の方が私のパスポートを使って、世界に旅行されているのかもしれませんね(笑)
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災難 (しし様)
2008-04-15 22:38:35
しし様、大変な経験をされてしまったようですね。お察し申し上げます。全員のパスポートとは、おっしゃるようにグルでしょうね。(怖!)大使館に缶詰って、お食事や他はどうなさったのでしょう・・・。悔やんでも悔やみきれない不運ですね。でも、他の方たちには申し訳ないのですが、逆に考えれば、一人でなくて良かったのでしょうか・・・。外国ではいろいろな災難に遭うことがあるのでしょうね。ご忠告、ありがとうございます。本当にパスポートには気を付けたいと思います。これからもアドバイス、宜しくお願いします。それにしても、しし様似の旅行者なんて考えると、なんだか楽しく感じてしまうのは不謹慎ですね。(笑)
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