乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

タンロン人形水上劇団    ベトナム 2024.08    (18景)

2024年09月11日 | 中国 2006~2019(7回)台湾、ベトナム、

 タンロン人形水上劇団    ベトナム 2024.08   (18景)

 

 昨日は磁器で有名なバッチャン村をUPさせていただきました。

Bat Trang Commune, Hà Nội, ベトナム ( バッチャン村の工場 )  (22景)2024.08

 

 今回は、タンロン人形水上劇団の写真を記録したいと思います。

 

 日本から予約をして行ったせいか、席は一番前で人形が見やすかったです。

 

 単なる水上で演じられる人形劇化と思っていたのですが、両サイドにはベトナムの民俗音楽を奏でる楽器や、非常にビブラートを利かせたうまい歌手(女性)が二人いらっしゃいまして、歌の合間に人形の声で掛け合いをされたりと、面白い物でした。

 

 また一本のことは、こちらも抑揚を利かせたり、ビブラートは強調され、歌と同様で、聞き入ってしまいました。

 

 ベトナム語は分からなくても、人形を見ていればほぼ内容が理解でき、面白い舞台でした。

 

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『職人歌合図屏風』 読了    奈良県立美術館所蔵  12 『商人』と『海人』

2024年09月11日 | 古典全般(奈良〜江戸時代)

『職人歌合図屏風』 読了    奈良県立美術館所蔵  12 『商人』と『海人』

 

【奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

 

 

 『職人歌合図屏風』写真

     『商人』

     『海人』

 

『商人』と『海人』

 

 

 

  

 

 

参考

 奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『新日本文学大系』「七十一番職人歌合 云々」より、「七十一番職人歌合」】

 

奈良県立美術館「江戸時代のきもの」 1 【特別陳列】日本の伝統文化を知る 2024

図書館に行く。

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  1  『医師(くすし)と陰陽師(おんやうじ)』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  2 『仏師』と『経師』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  3 『鍛冶』と『番匠』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  4 『刀磨』と『鋳物師』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  5 『巫女』と『盲目』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  6 『深草』と『壁塗』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  7 『紺掻』と『筵打』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  8 『塗師』と『檜物師(ひものし)』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  9 『博打』と『舟人』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  10 『針麿』と『数珠引』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  11 『椿女』と『大原人』

『職人歌合図屏風』 読了        12 『商人』と『海人』 奈良県立美術館所蔵

 

 

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  11 『椿女』と『大原人』

2024年09月11日 | 古典全般(奈良〜江戸時代)

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  11 『椿女』と『大原人』

 

【奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

 

 

 

 『職人歌合図屏風』写真

     『針麿』

     『数珠引』

 

右 『針麿』『数珠引』

 

 

左『椿女』と『大原人』

 

 

 

  

 

 

参考

 奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『新日本文学大系』「七十一番職人歌合 云々」より、「七十一番職人歌合」】

 

奈良県立美術館「江戸時代のきもの」 1 【特別陳列】日本の伝統文化を知る 2024

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  4 『刀磨』と『鋳物師』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  5 『巫女』と『盲目』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  6 『深草』と『壁塗』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  7 『紺掻』と『筵打』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  8 『塗師』と『檜物師(ひものし)』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  9 『博打』と『舟人』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  10 『針麿』と『数珠引』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  11 『椿女』と『大原人』

 

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  10 『針麿』と『数珠引』

2024年09月10日 | 古典全般(奈良〜江戸時代)

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  10 『針麿』と『数珠引』

 

【奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

 

 

 

 『職人歌合図屏風』写真

     『針麿』

     『数珠引』

 

右 『針麿』『数珠引』

 

 

 

  

 

 

参考

 奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『新日本文学大系』「七十一番職人歌合 云々」より、「七十一番職人歌合」】

 

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  7 『紺掻』と『筵打』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  8 『塗師』と『檜物師(ひものし)』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  9 『博打』と『舟人』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  10 『針麿』と『数珠引』

 

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Bat Trang Commune, Hà Nội, ベトナム ( バッチャン村の工場 )  (22景)2024.08

2024年09月10日 | 中国 2006~2019(7回)台湾、ベトナム、

Bat Trang Commune, Hà Nội, ベトナム ( バッチャン村の工場 ) (22景)  2024.08

 

 かねてから行きたかったベトナムのバッチャン村に行った。

 バッチャン村は、陶器で有名なところ。

 近くには民族館もあるようだが、時間の関係でバッチャン村では一つの店しか行かなかった。

 焼き物や焼き窯が好きな私にとっては、残念><

 

 写真を撮ってきたので見ていただけましたら幸いです。

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  9 『博打』と『舟人』

2024年09月10日 | 古典全般(奈良〜江戸時代)

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  9 『博打』と『舟人』

 

【奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

 

 

 

 『職人歌合図屏風』写真

     『博打』

     『舟人』

 

『博打』と『舟人』     右

 

 

左 『博打』と『舟人』

 

 

 

  

 

 

参考

 奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『新日本文学大系』「七十一番職人歌合 云々」より、「七十一番職人歌合」】

 

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  3 『鍛冶』と『番匠』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  4 『刀磨』と『鋳物師』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  5 『巫女』と『盲目』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  6 『深草』と『壁塗』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  7 『紺掻』と『筵打』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  8 『塗師』と『檜物師(ひものし)』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  9 『博打』と『舟人』

 

 

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  8 『塗師』と『檜物師(ひものし)』

2024年09月10日 | 古典全般(奈良〜江戸時代)

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  8 『塗師』と『檜物師(ひものし)』

 

【奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

 

 『職人歌合図屏風』写真

     『塗師』

     『檜物師(ひものし)』

 

 

 

  

 

 

参考

 奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『新日本文学大系』「七十一番職人歌合 云々」より、「七十一番職人歌合」】

 

奈良県立美術館「江戸時代のきもの」 1 【特別陳列】日本の伝統文化を知る 2024

図書館に行く。

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  1  『医師(くすし)と陰陽師(おんやうじ)』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  2 『仏師』と『経師』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  3 『鍛冶』と『番匠』

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  8 『塗師』と『檜物師(ひものし)』

 

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映画『ARABIAN NIGHTS アラビアン・ナイト』 3.9★/5 1942年 アメリカ上 86分   監督 ジョン・ロウリンズ  脚本 マイケル・ホーガン

2024年09月10日 | 映画

  映画『ARABIAN NIGHTS アラビアン・ナイト』 3.9★/5 1942年 アメリカ上 86分   監督 ジョン・ロウリンズ  脚本 マイケル・ホーガン  

 出演者 マリア・モンテス ジョン・ホール サブー リーフ・エリクソン ターハン・ベイ ビリー・ギルバート シェンプ・ハワード 

 

 

  映画『ARABIAN NIGHTS アラビアン・ナイト』を見たが喜劇的要素が多く盛り込まれ、笑える面白さがあった。

 

 どこの国で製作するかによって、アラビアン・ナイトハ若干話の内容が変わるだろうと思われるが、この映画は、アメリカ政策。

 

「サラーム」「アラー」などのペルシャにも通じる言葉もあり、またイランでも多く名付けられる「アーリー」という名の少年がいたり。

 とはいえ、これはイスラム教に通じていることなのかどうかは、私にはわからない。

 

 興味深く心から笑える幸せな映画であった。

 

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『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  7 『紺掻』と『筵打』

2024年09月10日 | 古典全般(奈良〜江戸時代)

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  7 『紺掻』と『筵打』

 

【奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代  奈良県立美術館所蔵

 

 『職人歌合図屏風』写真

     『紺掻』

     『筵打』

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

参考

 奈良県立美術館所蔵『職人歌合図屏風』6曲1雙 江戸時代】

『新日本文学大系』「七十一番職人歌合 云々」より、「七十一番職人歌合」】

 

奈良県立美術館「江戸時代のきもの」 1 【特別陳列】日本の伝統文化を知る 2024

図書館に行く。

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  1  『医師(くすし)と陰陽師(おんやうじ)』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  2 『仏師』と『経師』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  3 『鍛冶』と『番匠』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  4 『刀磨』と『鋳物師』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  5 『巫女』と『盲目』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  6 『深草』と『壁塗』

『職人歌合図屏風』奈良県立美術館所蔵  7 『紺掻』と『筵打』

 

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『身毒丸 』 折口信夫  23 彼の聨想が、ふと一つの考へに行き当つた時に、跳ね起された石の下から、水が涌き出したやうに、懐しいが、しかし、せつない心地が漲つて出た。

2024年09月09日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

『身毒丸 』 折口信夫  23 の聨想が、ふと一つの考へに行き当つた時に、跳ね起された石の下から、水が涌き出したやうに、懐しいが、しかし、せつない心地が漲つて出た。

 

 





   「折口信夫全集 第十七巻」中央公論社
   1954(昭和29)年11月
   「折口信夫全集 27」中央公論社
   1997(平成9)年5月

 


 身毒の再寝は、肱枕が崩れたので、ふつゝりと覚めた。

 床を出て、縁の柱にもたれて、幾度も其顔を浮べて見た。

 

 どうも見覚えのある顔である。

 唯、何時か逢うたことのある顔である。

 

 身毒があれかこれかと考へてゐるうちに、其顔は、段々霞が消えたやうに薄れて行つた。

 

 の聨想が、ふと一つの考へに行き当つた時に、跳ね起された石の下から、水が涌き出したやうに、懐しいが、しかし、せつない心地が漲つて出た。

 

 さうして深く/\その心地の中に沈んで行つた。

 

 山の下からさつさらさらさと簓の音が揃うて響いて来た。

 鞨鼓の音が続いて聞え出した。

 

 身毒は、延び上つて見た。

 併し其辺は、山陰になつてゐると見えて、其らしい姿は見えない。

 鞨鼓の音が急になつて来た。

 

 身毒は立ち上つた。

 かうしてはゐられないといふ気が胸をついて来たのである。





 
『身毒丸 』 折口信夫  1  信吉法師が彼(身徳)の肩を持つて、揺ぶつてゐたのである。

『身毒丸 』 折口信夫  2  此頃になつて、それは、遠い昔の夢の断れ片(はし)の様にも思はれ出した。  / 父の背

『身毒丸 』 折口信夫  3  父及び身毒の身には、先祖から持ち伝へた病気がある。  身毒も法師になつて、浄い生活を送れ」

『身毒丸 』 折口信夫  4   身毒は、細面に、女のやうな柔らかな眉で、口は少し大きいが、赤い脣から漏れる歯は、貝殻のやうに美しかつた。

『身毒丸 』 折口信夫  5  あれはわしが剃つたのだ。たつた一人、若衆で交つてゐるのも、目障りだからなう。

『身毒丸 』 折口信夫  6  身毒は、うつけた目を睜(せい)つて、遥かな大空から落ちかゝつて来るかと思はれる、自分の声に ほれ/″\としてゐた。

『身毒丸 』 折口信夫  7  芸道のため、第一は御仏の為ぢや。心を断つ斧だと思へ。かういつて、龍女成仏品といふ一巻を手渡した。

『身毒丸 』 折口信夫  8  ちよつとでもそちの目に浮んだが最後、真倒様だ。否でも片羽にならねばならぬ。神宮寺の道心達の修業も、こちとらの修業も理は一つだ。

『身毒丸 』 折口信夫  9  放散してゐた意識が明らかに集中して来ると、師匠の心持ちが我心に流れ込む様に感ぜられて来る。あれだけの心労をさせるのも、自分の科だと考へられた。

『身毒丸 』 折口信夫  10  accident

『身毒丸 』 折口信夫  11  そのどろ/\と蕩けた毒血を吸ふ、自身の姿があさましく目にちらついた。

『身毒丸 』 折口信夫  12  住吉の神の御田に、五月処女の笠の動く、五月の青空の下を、二十人あまりの菅笠に黒い腰衣を着けた姿が、ゆら/\と陽炎うて、一行は旅に上つた

『身毒丸 』 折口信夫  13  其処は、非御家人の隠れ里といつた富裕な郷であつた。瓜生野の一座は、その郷士の家で手あついもてなしを受けた。

『身毒丸 』 折口信夫  14  accident

『身毒丸 』 折口信夫  15  氷上で育てた弟子のうちにも、さういふ風に、房主になりたい/\言ひづめで、とゞのつまりが、蓮池へはまつて死んだ男があつたといふぜ。

『身毒丸 』 折口信夫  16  おまへらは、なんともないのかい、住吉へ還らんでも、かうしてゐても、おんなじ旅だもの。

「身毒丸」 折口信夫  17  田楽法師は、高足や刀玉見事に出来さいすりや、仏さまへの御奉公は十分に出来てるんぢや、と師匠が言はしつたぞ。

『身毒丸 』 折口信夫  18  頼んで来ても伝授さつしやらなんだ師匠が、われだけにや伝へられた揺拍子を持ち込みや、春日あたりでは大喜びで、一返に脇役者ぐらゐにや、とり立てゝくれるぢやろ。

『身毒丸 』 折口信夫  19  分別男や身毒の予期した語は、その脣からは洩れないで、劬る様な語が、身毒のさゝくれ立つた心持ちを和げた。

『身毒丸 』 折口信夫  20  あけの日は、東が白みかけると、あちらでもこちらでも蝉が鳴き立てた。昨日の暑さで、一晩のうちに生れたのだらう、と話しあうた。

『身毒丸 』 折口信夫  21  彼は耳もと迄来てゐる凄い沈黙から脱け出ようと唯むやみに音立てゝ笹の中をあるく。

『身毒丸 』 折口信夫  22  彼は花の上にくづれ伏して、大きい声をあげて泣いた。すると、物音がしたので、ふつと仰むくと、窓は頭の上にあつた。

『身毒丸 』 折口信夫  23 彼の聨想が、ふと一つの考へに行き当つた時に、跳ね起された石の下から、水が涌き出したやうに、懐しいが、しかし、せつない心地が漲つて出た。

  了

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