乱鳥の書きなぐり

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金々先生造化夢 11 九丁裏 十丁表 山東京伝 作  北尾重政 画  寛政6年 版元 蔦屋重三郎

2020年08月20日 | 山東京傳

 

 

  本当は可愛かったピグモンちゃん

 『猫 夏祭浪花鏡』風に撮ってみたもの。

 

 

    

 

 

 

 金々先生造化夢 11 九丁裏 十丁表 山東京伝 作  北尾重政 画

 寛政6年 版元 蔦屋重三郎

 

 金々先生造化夢 山東京伝 作  北尾重政 画

 山東京伝  1761-1816

 北尾重政 1739-1820

 [江戸] : [蔦屋重三郎],

 寛政6[1794]序

 黄表紙

 一冊 19cm

 読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー

 ヘ13 02056 0012

 

九丁裏 

しほくみ

の仙

女ハ

かの

ちや

づけめ

しの

さいに

なる

けうの

もの

をつける

しほを

くむ、

此しほくみといふもの、お

どりやきやうげんでみ

てハ、松かぜ、村さめなどゝ

て、しごくらくそうにみや

れども、しやう、うつしのしほ

くみハ、ことのほか、ほねのおれる

ものにて、しほになるまでハ

なまやさしき事にあらず、

そのしんく、あはれむべし、

 

九丁裏 

「むかしハ村さめだの、松かぜだの、

 とてだけかしやのしろ物をみる

 やうな、きいたふうな名とついて、かうまんな かほしたときいたが ▲

 

九丁裏 中

   ▲わがやうな うつく

    しい しほくみ、あるものか、

    今 時行二十さんが

    いさんしよなら

    あつ

    ち

    から

 

九丁裏 下

      すへぜんでござん

      しやうなどゝ

      しほくみだけ

      つがもなく

      しほや

      をいふ

 

九丁裏

石しやうの仙人、しんくして

かうのものにする大こんを

つくりしほくみの仙女し

ほをこしらへわたししけれバ、

ぬりやの仙人、ぬかをうり

にきたりたる、かいの仙人

たるをうりにきたりけれバ、

なにもかもそろいて、つけもの

やの仙人、かの大こんをたく、

あんにつける、これみな、きん/\

せんせいにくハするちやづけめ

しのためなり、かうのものば

かりもたいていや、大かたのしん

くにハあらず、

つきやの仙人ちやづけめしに

なるこめをつく、これもつきやの

ひるめしのさいになるさんまの

ひものからみちをき

かれた時、あせを

ふくてぬぐいま

でそれ/\  ユ入

用の品をつくりいだす

こと、そのさき/\ハ、か

ぞへてつくしがたし、

 

九丁裏 下 

     「あをむいて

      つきやさん

      まをふつり

      くいとハ

      川柳の

      名

      句

      で

      あ

      つた、

しほくみ

 潮汲み、汐汲み

 塩を作るために海水をくむこと。また、その人。
 
 歌舞伎(舞踊)では、『汐汲み』
 
『汐汲み』『村松風二人汐汲』など、30分舞踊。
 
 映画でも七世尾上梅幸で上演されている。

『<映画>汐汲』七世尾上梅幸/ 『京鹿子娘道成寺』芝翫 十七世中村勘三郎 中村勘九郎(十八世勘三郎 東蔵

此しほくみといふもの、お

どりやきやうげんでみ

てハ、松かぜ、村さめなどゝ

て、しごくらくそうにみや

れども、しやう、うつしのしほ

くみハ、ことのほか、ほねのおれる

ものにて、しほになるまでハ

なまやさしき事にあらず、

そのしんく、あはれむべし、

 此の『汐汲』と云うものは、踊りや狂言で見ては、『松風』『村雨』などとて、至極楽そうに見やれども、仕様、写しの『汐汲』は、事の他 骨の折れる物にて、塩に成るまでは、生易しき事にあらず、その辛苦、憐れむべし。

 ほほう^^
 なかなか、深い!
 
 
北上時行  (ブリタニカ国際大百科辞典)
 [生]?
 [没]正平8=文和2(1353).5.20. 鎌倉
 鎌倉時代末期,南北朝時代初期の武将。
 鎌倉幕府の執権高時の子。
 通称は相模二郎。鎌倉幕府が滅亡したとき,信濃の諏訪氏のもとに逃れ,建武2 (1335) 年京都の西園寺氏とはかって兵を起し,足利直義の軍を破って鎌倉を占領。
 一時北条氏を復興したが,足利尊氏に敗れた。
 のち南朝に投じて,北畠顕家,新田義興らに従い,鎌倉に攻め入ったが,義興が敗れると,足利氏に捕えられ殺された。
 
 

今 時行二十さんが

いさんしよなら

 北上時行  (ウィキペディア)
 北条氏復興のため、鎌倉幕府の残党を糾合して中先代の乱を引き起こし、鎌倉を奪還するが、わずか20日で尊氏に逐われた。
 
 

なにもかもそろいて、つけもの

やの仙人、かの大こんをたく、

あんにつける、これみな、きん/\

せんせいにくハするちやづけめ

しのためなり

 かの大こんやら、漬物やら、さぞかし臭い演じ手の役者をもじっていることであろう。

 本書の初めには江戸時代の役者名も出てきて、その時も悪態をついていたので、逆にその役者に引っかかりと愛着心を持っていたのかもしれぬとほくそえむ。

 

 

 
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