乱鳥の書きなぐり

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『神歌』【とうとうたらり たらりら たらりあがり ららりとう】

2010年04月14日 | 観世流(続)百番集、日本古典文学大系(謡曲)、能楽関係本


     『神歌』



シテ  とうとうたらり たらりら
   たらりあがり ららりとう

地謡  ちりやたらり たらりら
   たらりあがり ららりとう

シテ  所千代までおはしませ

地謡  我等も千穐さむらはう

シテ  鶴と亀との齢にて

地謡  幸ひ心にまかせたり

シテ  とうとうたらり たらりら
    ちりやたらり たらりら
    たらりあがり ららりとう

ツレ  鳴るハ瀧乃水
   鳴るハ瀧の水 日ハ照るとも

地謡  絶えずとうたり ありうとうとうとう

ツレ 絶えずとうたり 常にとうたり

   千歳之舞

ツレ 君の千歳を経ん事も 天つ少女の羽衣よ
   鳴るハ瀧乃水 日ハ照るとも
  
地謡 絶えずとうたり ありうとうとうとう

   千歳之舞

シテ 總角や とんどや

地謡 尋ばかりや とんどや

シテ  坐して居たれども

地謡  參らう れんげりや とんどや

シテ  ちはやぶる 神乃ひこさの昔より
   久しかれとぞ祝ひ
   そよやりちや

シテ およそ千年乃鶴ハ
   萬歳樂と謳うたり
   また萬代の池乃龜ハ
   甲に三極を備へたり

   渚乃砂 さくさくとして 朝乃日の色を瓏じ
   瀧の水 玲々として 夜乃月あざやかに浮かんだり

   天下泰平 國土安穏
   今日乃御祈祷なり

   ありはらや なぞの 翁ども

地謡 あれハ なぞの翁ども
   そやいづくの翁とうとう

シテ  そよや

シテ 千穐萬歳の 喜び乃舞なれば
   一舞舞はう 萬歳樂

地謡  萬歳樂

シテ  萬歳樂

地謡  萬歳樂




 
『神歌』は何度聴いても心が落ち着く。しかし、『百番集』などを何度読んでも、意味がはっきりとはわからない。

 日本音楽叢書 7の『国立劇場 民俗芸能【一】』(日本音楽之友社)には『神歌』『翁』『三番叟』の関連した項目もあったが、言葉の意味には触れられてない。

 一説によるとチベットの関係だとか中国に関係しているのだとか...。

 

 翁面は元々は五穀豊穣の神事に使用されたという。

 また、『梁塵秘抄』に四句神歌画あり、そこには
           【瀧は多かれど、うれしやとぞ思ふ、鳴るは瀧の水、日は照るとも......】
と、本には記されていた。



【瀧は多かれど、うれしやとぞ思ふ、鳴るは瀧の水、日は照るとも......】

 上は『神歌』にある
           【鳴るハ瀧乃水  鳴るハ瀧の水 日ハ照るとも】
といった内容に関係する。



 上から考えると『神歌』の【とうとうたらり たらりら たらりあがり ららりとう】などは、滝の流れ落ちる音であったのか?



【鳴るは滝の水、日は照るとも、絶えずとうたり、ありうとうとうとう】

 上は農業に携わる者にとっての祈願を込めた雨乞い歌。或は感謝の讃歌かもしれない。

 昔から水や鳴神に特別の思いを込め、龍神を祭ったり『翁』といった仮面劇を待ったのではないか。

 

 それだけに 生活に結びついた呪文のような言葉【とうとうたらり たらりら たらりあがり ららりとう】はわたしたちの心に響くのかもしれない。



 

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4 コメント

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こんばんはです。^±^ノ (てくっぺ)
2010-04-15 03:08:38
見たことがないのですが、どういう歌なんでしょう?^±^

シテ、ツレとあるので、歌舞伎か能楽かなんでしょうけどね。
能楽のほうでしょうか?^±^;

ところで、神事で「かんかんのう」っていうのもあまり見かけないですよね。^±^
返信する
こんにちは☆コメント、ありがとうございます☆ (てくっぺ様)
2010-04-15 11:21:42
てくっぺ様、ありがとうございます。

神歌は能などが始まる前になさる曲もありますし、能楽もあります。
能楽師の方々が歌われる時と神歌として演じられる時があるようですが、あとの方はまだ聴いたことがありません。

京都の知恩院さんに
番組表が奉納されていましたので、【名前部分】↑の写真をみていただければ嬉しいです。

今回UP下写真も能楽師の方々が目付柱(角)の方向に向かって歌われています^^
三輪神社『大神祭後宴能』では毎回「神歌」からはじめまリます。
わたしは詳しくは知らないのですが、おそらく神様にささげておられるのでしょうか?

能楽は面白くって、神との交信が度々入ります。
狂言や間狂言もそのひとつと、今読んでいる本に書かれていました。(ほやほや情報です@^^@

「かんかんのう」は面白いですね。
わたしは歌舞伎の『らくだ』は何度も見たことがあったのです。
落語からだとは知りませんでした。
知った直後に慌てて落語を聴きましたが、面白いですね
かんかんのうの踊り部分は歌舞伎でもお笑いです^^
内容が内容なのに、踊りはようすも仕草もコミカルで楽しいですよね^^

長文、ごめんなさ~~い^^

返信する
こんばんはです。^±^ノ再 (てくっぺ)
2010-04-16 23:26:01
らくだ。うちのブログにもありました。^±^
コラム落語ですが。^±^

http://blog.goo.ne.jp/tekuhee/e/fb3da5e735a4ee3da12de67ded1b6c40

かんかんのうのくだりも書いてあるので、大作になっちゃいました。^±^;
返信する
おはようございます。 (てくっぺ様)
2010-04-17 07:03:32
てくっぺ様
そちらは雪なのですね。季節がずれた感じですか......ネ。
お風邪などひかれませんように、ご自愛下さいね。
、ズームのダイヤル部分でしょうか?
わたしの場合はそこの部品を取り替えると幾分良くなりました。

てくっぺ様
らくだを楽しく読ませていただきました。
   あ☆り☆が☆と☆う☆ゴザイマス^^

実を申しますと(もじもじ)
   知った直後に
は、てくっぺ様のページででして、最近落語を聞きました。
   あ☆り☆が☆と☆う☆ゴザイマス^^

てくっぺ様のページを知らなかったとしたら、おそらく東京でも演芸場に行くことは無かったのではと感じます。*^^*
いつも教えていただき、
   ありがとうございます


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