乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

二人で歩いた幾春秋

2006年08月17日 | 映画

記録のみ二人で歩いた幾春秋 

             好み★★★★★

             満足度★★★★☆

             感動度★★★★☆

             芸術度★★★☆☆

             キャスト★★★★★

 

             監督  木下恵介

             原作  河野道工

             脚色  木下恵介   

 

            キャスト   佐田啓二 (野中義男)

                   高峰秀子  (とら江)

                   山本豊三  

                    小川虎之助 

                    岸輝子 

                   久我美子 

                   倍賞千恵子 

                   野々村潔 

                   菅井きん   他 

http://www.shochiku.co.jp/video/jimaku/cp0055.html

二人で歩いた幾春秋の松竹ビデオ↑

 

 昭和二十一年。

 復員した学歴の低い野中義男は、故郷の山梨で道路工夫で生活を営なむ。

 貧困生活ながらも一家三人は幸せに暮らす。

 そんな二人の息子は成績が優秀。

 息子の成長は二人の生きがいでもあった。

 夫婦は貧しいながらもお互いに方を寄せ合って、お互いに対話や衝突をもしながら幸せに宝の息子を軸に、二人の道を実直に歩んでゆく。

 その生き方は人間の血液の流れる速度のようで優しくゆっくりとしていて、見ていてこちらまでが心が和む。

 その光景は雪解けの下から耐え抜いた植物が春になって息吹を得た読むにたくましく、めばゆいくらいに美しい・・・

 

 雨の日も風の日も夫はただひたすらに道路の凹みやひずみに土をかけ続ける。

 まるでシャベル独自に息吹が吹き込まれたかのように・・・

 この表現は故安部公房氏の『砂の女』の一部分を思い起こさせる。

 

 私は佐田啓二 さんと高峰秀子 さん の演技も淡々とした中にも細やかな表情の表現があり、以前から好き・・・そしてこの映画も以前TVで観た木下恵介監督の『喜びも悲しみも幾年月』と同様、淡々と話が進められ中にも、巧みに心理描写が描かれていて隙です。

 以前『喜びも悲しみも幾年月』で佐田啓二さんが好きになった。

 とはいえ、私が彼を知ったのはもうなくなられた後のことで、とても残念です。

 高峰秀子 さん はずい分昔に二時間ドラマで『波子』を見て以来好きですが、他にもTVで観た『カルメン故郷に帰る』も心に残る作品の一つです・・・

 

『二人で歩いた幾春秋』で印象的な場面は二人でイカにはいを持って帰るときのこと。

 照り返しのきついコンクリート道を家路へ向かう途中、いつものように夫婦二人のテンポの良い会話が続きく。

 調子に乗った女房のざるからイカがすぽりと道路に落ちてしまう。

 あわてた二人は瞬間にイカを拾い上げるが、道路にはくっきりとイカの跡形(水分)が残る。

 その二つのイカの『陰の黒』は二人の仲のよさの象徴のようで、ほほえましい・・・

 

  突然に夜起き上がり今頃は静岡あたりと妻はいいける・・・・・(売る覚えですが)親の子に対する思いが詠まれていて好きでした・・・

 

 二人はかなりの無理をしてようやく息子の京大卒業にこぎつけるが、そこにたどり着くまでには並大抵の努力では語りきれないつらさややりきれなさや努力や愛の格闘があったが、終始一貫して実直な二人は、二人で歩み、どんな問題に対しても二人で乗りこえてきた。

 そしてこれからも二人で歩んで行くのでしょう・・・

 息子や将来築き上げる息子家族の幸せをも応援しながら、ゆっくりとゆっくりと質素に実直に暮らして、一年また一年と二人で年を重ねていくのでしょうか・・・

 

 

http://kazekobo.cool.ne.jp/cinema/ikutosituki.htm

  ↑ 数年前TVで観て感動した木下恵介監督の『喜びも悲しみも幾年月』

 

 

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