乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

萩焼の窯の中 /山口

2006年08月10日 | 美術・文様・展示物
 山口県
     萩焼の窯の中



 山口県の萩に器を選びに行く。



 千秋楽城山からは議場後にかけて、萩焼の窯元やは気焼きを取り扱った店が立ち並んでいる。

 その近くに住むというおばあさんが、
「私もこれからそっちのに行きますから、いっしょ見行きましょう。」
と、その土地の柔らかくて美しい響きの言葉で、話しかけてくださる。

 萩のことや世間話、そのほか色々と語り続けてくだ祭増したおばあさんの目は、三日月形で優しかった。

 白山という窯元は、大きな窯がそびえたつ。

 この窯は美しい。

 窯の入り口のは、鳥肌が立つほどに魅力的な色に変化している。

 素晴らしい色調に、私は一息ついた。

 窯そのものが重厚で威厳にあふれ、芸術である。

 他にも壁面を圧迫するような電気がまを、気が付いただけでも三個備え付けられていた。



 このあたりの窯元直営店で、野点茶碗を五個購入。

 本当に欲しかった茶碗は、ウン十万もするので、ここはひとまず普段使いの使い勝手の良いもの考慮に入れて購入する。

 野点に使わず、紫蘇ご飯や豆ご飯、筍の木の身和えや、今なら冬瓜とえびにたいたんでも似合いそうな色の洒落た器。

 器はこれだから面白い・・・




 窯元はとても立派で、制作半分、観光県販売半分といった開かれた感じ。

 陶芸入門や絵付け体験もできて、一般観光客の方は非常にに楽しめるのではないでしょうか。

 私たちがここへ訪れた日も、団体の方々が多く見えて、絵付け体験をなさっておられた。

 皆さん筆を手にして、とても楽しそうで、こちらまでほくそ笑んでしまう。

 この開かれた窯元は萩の右の方の有名な窯元が立ち並ぶ地区に位置する。

 実際に萩の方々やタクシーの運転手さん、バスセンターの社員に聞くとこちらを教えて下さることが多い。ところが・・・




 私の場合実際に面白いと感じるは、萩の左上方向に位置する窯元。

 東光寺から松蔭神社にかけての車一台が通れるくらいの一本道。

 地図上ではあまり目立ちはしなかったのですが、この通りにも萩焼の店や窯元が点在していた。

 ここは観光客を受け入れるだけの大きなところではなく、軒先は普通の民家で、とても情緒の感じられる。




 小さな普通の家の表一角に並べられていた器がたまらなく魅力的で、戸をあけようとしたが、鍵がかかっている。

 裏に回り、玄関のチャイムを鳴らしたが、この家主は留守であった。

 気に入った器であったが、縁が無かったものとあきらめる。

 私は、コーラルレッドの恋人に別れをつげ、先を急いだ。



 あの器は確かに私の手元に嫁ぎたがっていたと思うと、いまだに心残りである。


 




                 春の思い出   山口県萩にて










 
コメント (6)
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