日常

Nina Simone

2016-09-22 01:04:59 | 音楽
自分が史上最高に好きなアーティスト、Nina Simone.

ニーナ・シモンをゾーイ・サルダナが演じる伝記映画『Nina』(監督・脚本 シンシア・モート)は全米で2016年4月に公開されているようだが、まだ日本では公開されていない。舞台裏の荒れた私生活も描いた、かなり衝撃的な映画のようだ。



それと呼応して、彼女のドキュメンタリー『ニーナ・シモン―魂の歌』(原題 What Happened, Miss Simone?)というのが最近公開されたとは知らなかった。動画配信サービスNetflixで見れるらしい。映画館で放映されてないので気づかなかった。




彼女の声は、聴けば一発でわかる。
雑踏の中でも、喧騒の喫茶店の中でも、彼女のメロディーや歌声が聞こえると、早押しクイズのように全身が勝手に反応して一瞬静止する。「あ、Nina Simoneだ」と。そんなことが何十回あっただろう。それだけで何か音楽をかけた人と通じ合っている気がする。

彼女はピアニスト志望だったからピアノもめっぽう、うまい。
うまいというのは、技術的なものではなく、心が音の粒子に溶け込んでいるようなピアノのタッチなのだ。そこには黒人の歴史や怒りや悲しみやすべてが込められていて、なんだか聞いているだけで不思議と泣けてくる。

彼女の何とも言えない表情を見るたびに、心はざわつくが、声を聴くと秩序がもたらされ、沈静化する。
彼女の存在には、何度救われたかわからない。







Feeling Good - Nina Simone (1965)

Ain't Got No, I Got Life - Nina Simone

Nina Simone - feelings (1976) HQ

Nina Simone - And Piano!



(以下、映画)
Nina Simone's Trailer

ニーナ・シモン 魂の歌 - Netflix [HD]





NinaSimoneに限らず、ジャニス・ジョプリン、エイミー・ワインハウス、ビートルズの映画も今年公開されるようだ。
マイケルジャクソンもそうだが、ミュージシャンや表現者は、透明で純粋な存在であればあるほど、その時代の無意識を背負う人たちだ。それは宿命のようなもの。そして、その同時代の人にはその全体像が分からない。音楽家が何を受信し、表現しようとしていたのかを。

映画の中でミュージシャンの生涯を追体験することで、当時の彼らが背負った問題を共有できる。時差を持って、今やっと分かる時代が来ているのだろう。

映画『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』(9/10より)


映画『AMY エイミー』(9/3より)


映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』(9/22より)




・・・・・・・

Nina Simoneが歌う曲で「Everything Must Change」という曲がある。

「Baltimore(ボルチモア)」(1978年)というアルバムにも入っている。

「Everything Must Change」は、Quincy Jonesのアルバム「Body Heat」(1974年)の中の曲(by.Bernard Ighner)。

Everything must change
Nothing stays the same
Everyone will change
No one, no one stays the same


すべてのものは移ろいゆき、同じところに留まるものはなく、
すべてのひとも変わりゆき、同じところに留まるひとはいない、、、、


時代の鏡となり、黒人解放運動をして、心身共にボロボロになったNina Simone。
彼女が、東洋的な世界観(無常)を思わせる「Everything Must Change」を歌うと、時を超えて心に響く。



○Nina Simone - Everything Must Change

○Nina Simone - Everything Must Change (Live)





"Everything Must Change"
by Bernard Ighner

Everything must change
Nothing stays the same
Everyone will change
No one, no one stays the same

The young become the old
And mysteries do unfold
For that's the way of time
No one, and nothing goes unchanged

There are not many things in life one can be sure of
Except rain comes from the clouds
Sun lights up the sky
Hummingbirds fly

Winter turns to spring
A wounded heart will heal
Oh but never much too soon
No one, and nothing goes unchanged

The young become the old
And mysteries do unfold
For that's the way of time
No one, and nothing stays unchanged

There are not many things in life one can be sure of
Except rain comes from the clouds
Sun lights up the sky
Hummingbirds fly

Rain comes from the clouds
Sun lights up the sky
Hummingbirds fly

Rain comes from the clouds
Sun lights up the sky
Hummingbirds fly

Everything must change

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
追体験 (みみ)
2016-09-29 12:45:40
先日『ザ・ビートルズ』観てきました。
いなさんが「追体験」とおっしゃっているとおりです。

《 ミュージシャンや表現者は、透明で純粋な存在であればあるほど、その時代の無意識を背負う人たちだ。それは宿命のようなもの。そして、その同時代の人にはその全体像が分からない。音楽家が何を受信し、表現しようとしていたのかを。

映画の中でミュージシャンの生涯を追体験することで、当時の彼らが背負った問題を共有できる。時差を持って、今やっと分かる時代が来ているのだろう。 》

ニーナ・シモンという歌手を知りませんでした。
歌詞は仏陀が伝える「諸行無常」が
感じられますね。

聴いてみます。
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Unknown (INA)
2016-11-15 13:05:03
>みみさん
自分にとってのビートルズも同じような偉大な存在です。
高校生の時、レコードプレーヤーを前にして正座至適板記憶を思い出します。当時、レコードで音楽を聞いていた自分は、何かをしながら音楽を聞くことができず、茶道のように1対1で対峙して聞くものでした。NinaSimoneにも同じようなものがあります。
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