なぜか、いけない街には、小暗い急な坂がある。遊蕩の街への坂である。坂は曲りくねっていて、人を誘うが如き名を持つ。
そう。泉鏡花が育った金沢の主計町にあるのは、「暗がり暗闇坂」寺の裏を抜けて茶屋町に下る坂である。男が通る。女が通る。子が通る。皆違うことを考えながら、坂を通る。
おかげ参りに出かける。内宮と外宮に通じる古市参道。そこにあるのが古市の街だ。そこはもう、「都おどり」のもとになったというような、芝居小屋やら茶屋やらを思わせるものは何にも残っておらず、近所の婆さまが語らい、通園鞄を提げた子が母に手を引かれる、昼下がりの住宅街の細い道となっている。
古市に江戸の賑わいを残しているは、この坂と一軒の旅館だけだ。
「手振り坂」
誰が振る手か。誰に振る手か。その昔、男が通り、女が通った坂。その坂に向かって振った手は、両側に建つ「麻吉」の中の人。
「麻吉」は坂を挟んで両側に今もある。東海道中膝栗毛にも出てくる建物だ。坂の上を「麻吉」の廊下が渡る。
伊勢古市はぽってりと八重桜の咲く。
電話のお姐さん伊勢言葉。「まあねえさん、ええやない」と少しおまけをしてもらって、一泊朝食つきをお願いする。
今日は他に客はいないと見た。
入り口からまっすぐの部屋に通される。15畳の部屋は前面に朝熊山、右はやはり桜咲く野。開け放たれた障子からの眺めはお江戸のおかげ参りに連れて行ってくれそうだ。思わず、ため息が出てしまった。
往時の什器を飾る蔵は坂に沿って4階層になっている。もう自分がどこにいるのかわからない。考えれば考えるほど、階段の魔にはまり込んでいってしまいそうだ。
ええじゃないかの旅なら、そうして、好事の方のご宿泊はどうぞ、「麻吉旅館」へ。ネット予約なら一泊二食10500円よりにて、登録有形文化財、木造六階建てにお泊りなんて、素敵すぎるでしょ。
そう。泉鏡花が育った金沢の主計町にあるのは、「暗がり暗闇坂」寺の裏を抜けて茶屋町に下る坂である。男が通る。女が通る。子が通る。皆違うことを考えながら、坂を通る。
おかげ参りに出かける。内宮と外宮に通じる古市参道。そこにあるのが古市の街だ。そこはもう、「都おどり」のもとになったというような、芝居小屋やら茶屋やらを思わせるものは何にも残っておらず、近所の婆さまが語らい、通園鞄を提げた子が母に手を引かれる、昼下がりの住宅街の細い道となっている。
古市に江戸の賑わいを残しているは、この坂と一軒の旅館だけだ。
「手振り坂」
誰が振る手か。誰に振る手か。その昔、男が通り、女が通った坂。その坂に向かって振った手は、両側に建つ「麻吉」の中の人。
「麻吉」は坂を挟んで両側に今もある。東海道中膝栗毛にも出てくる建物だ。坂の上を「麻吉」の廊下が渡る。
伊勢古市はぽってりと八重桜の咲く。
電話のお姐さん伊勢言葉。「まあねえさん、ええやない」と少しおまけをしてもらって、一泊朝食つきをお願いする。
今日は他に客はいないと見た。
入り口からまっすぐの部屋に通される。15畳の部屋は前面に朝熊山、右はやはり桜咲く野。開け放たれた障子からの眺めはお江戸のおかげ参りに連れて行ってくれそうだ。思わず、ため息が出てしまった。
往時の什器を飾る蔵は坂に沿って4階層になっている。もう自分がどこにいるのかわからない。考えれば考えるほど、階段の魔にはまり込んでいってしまいそうだ。
ええじゃないかの旅なら、そうして、好事の方のご宿泊はどうぞ、「麻吉旅館」へ。ネット予約なら一泊二食10500円よりにて、登録有形文化財、木造六階建てにお泊りなんて、素敵すぎるでしょ。
もしやルーツはそこにあるのかな?
1,000人もの女郎で賑わった古市は行ったことが無い。江戸時代だからではない。
どうしてこんな場所を探し出せるんだろう。
木造6階建てがあったとは知らなんだ。
渋温泉の金具屋には泊まった事があるけど4階建てだった。http://www.kanaguya.com/
弁柄色が素敵です。
うさと展は一昨日終わったばかりだが・・・
うん、どうも、ふらふら吸い寄せられちゃうんだよね、悪所。
グルメなけんちゃんには、お勧めを躊躇するけど、建物だけでもおもしろいよ。
どこまでが坂でどこからが建物かわからぬ楼閣なり。
金具屋さん、そうか、けんちゃんは既宿かあ。負けちゃったなあ。
わたしゃ、まだです。善光寺御開帳&金具屋さん&外湯巡り を計画中です。
今週末は池田山だね!
渋温泉は、つまらぬストリップ小屋に騙されました。10箇所だったかな?外湯制覇で湯あたりしたことを覚えています。
池田山出逢いましょう。
ストリップに、外湯巡り、温泉遺産ですね。
白銀屋とか花屋とかも行ってみたいなあ。
それからユースホステル
池田山ふたたびですね。
いつもいつもですが、ちょっと前まで、覚えていて・・・
当日忘れます。
おまけですが、今日は、息子の誕生日です。
こちらも、メールのタイミングを忘れそうです。
今、彼は、上海でーす。
覚えてくださっていたなんて、本当にありがとうございます。そうして息子ちゃん、おめでとうございます。bubeさんが頑張った日でもあるよね。
お誕生日はいいもんだ、いくつになってもいいもんだ!
主計町、ナツカシ。
麻吉、大学生の頃に泊まったことがあります。
これまたナツカシ。
佳きも悪しもありそな、先の見えない坂は、心惹かれるものですよね。
こちらこそご無沙汰です。
同じ街なのだからどこかでお会いできるのではないかと、密かに偶然に期待しながらおります。
大学生で麻吉。これはしぶい!
主計町。お好きですか?私はお好きです。
更新楽しみにしてます
言葉が足元でちょろりちょろりと走り回っていますんですが、なかなかここまでやってきません。
コメント、本当に本当にありがとうございます。